ウクライナ大統領、プーチン大統領暗殺の可能性についてコメント

新たな情報戦?
開戦から一年
いつかその日が来る
「捕食者が捕食される」
「理由を見つける日がいずれ来る」
その日はいつ?
現実的分析かプロパガンダか
ロシアに混乱をもたらす
病気疑惑
癌の疑い
側近がウクライナに情報を提供
ブダノフのコメント
情報戦を最大限活用するウクライナ
暗殺は現実的か
ある専門家の想定するシナリオ
ダンカン博士のコメント
暗殺しても事態が変わるとは限らない
新たな情報戦?

報道によると、最近公開されたあるドキュメンタリーの中で、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がロシアのプーチン大統領はいずれ側近によって暗殺されるだろうと発言したという。

開戦から一年

このコメントが出されたのはウクライナのジャーナリスト、ディミトロ・コマロフが製作したドキュメンタリー『ある一年』の中でのこと。このドキュメンタリーはロシアによるウクライナ侵攻を振り返る目的で製作され、開戦から一年の節目に公開された。

いつかその日が来る

『ニュースウィーク』の報道によると、そのドキュメンタリーの中でゼレンスキ―大統領は「ロシアにおいても、プーチン政権の脆弱性があらわになる瞬間がいずれやってきます」と発言したとされる。

「捕食者が捕食される」

ゼレンスキ―大統領はさらに続けて「そして、肉食獣が食われることになる」と言ったとされている。英国のオンラインメディア『テレグラフ』によるこの発言の翻訳はさらに一歩踏み込んだもので、「捕食者が捕食される」となっている。

「理由を見つける日がいずれ来る」

ドキュメンタリーでの発言について、後にゼレンスキ―大統領はこう補足している:「プーチン大統領の側近たちが私やコマロフの言葉を思い出す日が来る。決して忘れられずに残り、彼らが殺人者を殺害する理由を見つける日がいずれやって来る」

その日はいつ?

ゼレンスキ―大統領はそのような試みは成功するだろうとも述べている:「成功するか? するだろう」だが、側近がプーチン大統領に反旗を翻す日がいつになるかについては明言を避けた:「いつか? それはわからない」

現実的分析かプロパガンダか

自由主義諸国の大部分は、ウクライナへの侵攻という破滅的事態をもたらしたプーチン大統領が失脚することは歓迎するだろう。だが、この発言自体がウクライナによる情報戦の一環である可能性についても忘れるべきではない。プーチン政権を不安定化させる目的のもとに発せられているかもしれないのだ。

ロシアに混乱をもたらす

実際、昨年の開戦以来、ウクライナ政府はロシアの指導者層に不和をもたらすような発言を何度か行っている。

病気疑惑

たとえば一月には、ウクライナ国防省情報総局長のキリーロ・ブダノフがプーチン大統領の健康状態についてコメントを出した。プーチン大統領は重病を患っていて、死が「かなり間近に」迫っているというのだ。

癌の疑い

ブダノフはABCニュースのブリット・クレネットに次のように語った:「我々としては癌だと考えています。これはプーチンにごく近い人間からの情報です」さらに、大統領が死亡した際にはその側近が代わりに大統領となるだろうとの予測も示した。

側近がウクライナに情報を提供

ブダノフは二月にもある声明を発表。今回の戦争後に起こりえるロシア社会の混乱・崩壊から身を守るためにウクライナ側につく者がプーチン大統領の側近の中からも出始めたと述べている。

ブダノフのコメント

「ロシア連邦における状況は日々悪化するばかりですから、協力してくれる人物を探すのには困りません」とブダノフは述べた。

情報戦を最大限活用するウクライナ

ロシア軍での反乱が隠蔽されているという情報の暴露やベラルーシをロシア連邦に組み込む計画の流出など、ウクライナはこの戦争において情報を非常に巧みにコントロールしている。従って、最近のゼレンスキ―大統領のコメントもこの流れで理解する必要があるかもしれない。

暗殺は現実的か

プーチン大統領の暗殺に至るようなシナリオを正確に予想することは困難だが、専門家の中にはプーチン大統領の側近が暴力的な手段を用いて大統領を失脚に導く可能性を検討しているものもいる。

ある専門家の想定するシナリオ

2022年9月、ロンドン大学でスラブ・東欧研究を教えるピーター・ダンカン博士がイギリスの『デイリー・ミラー』紙に次のような見解を示した。ダンカン博士の考えでは仮にプーチン大統領が核兵器の使用を決心した場合、側近から大統領を追い落として暗殺しようとする者が出るはずだという。

ダンカン博士のコメント

「私はいまでもこう考えています。もしプーチン大統領が核兵器を実際に使おうとし始めたら、あるいは、ショイグやゲラシモフなどの高官に使用を命じたら……そういった高官らは命令を拒否し、プーチン大統領に反抗、殺害することも辞さないだろうと」

暗殺しても事態が変わるとは限らない

だが、プーチン大統領を殺害しても事態が変わらない可能性もある。ニュースメディアの『ポリティコ』のスティーブン・キンツァーは2022年の3月にこう書いている:「プーチン大統領を排除しても、自国の領土に他国の軍隊が接近することを許さないというロシアの決意を変えることはないだろう」

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