停戦の希望を仄めかすプーチン大統領、ただし一定の条件を突きつける
複数のロシア情報筋がロイター通信に語ったところによれば、プーチン大統領はウクライナとの和平交渉に応じる用意があり、2年間にわたって多大な犠牲を生み出し続けてきたウクライナでの戦闘を停止する可能性もあるという。
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しかし、言うまでもなく、プーチン政権は人道的な観点から停戦を持ち掛けているのではない。和平にあたってロシアに有利な条件を突き付けているのだ。
スカイ・ニュース放送によれば、プーチン政権はロシアがウクライナ領内で実効支配している地域を国際社会がロシア領として承認するなら、戦争を「凍結」すると主張しているようだ。
仮に現在の占領地がロシア領と認められれば、ロシアは一方的に併合を宣言したウクライナ東部・南部4州の大部分を正式に手に入れることとなる。
もし、この条件が認められることになれば、プーチン大統領はロシアに「勝利」をもたらした指導者として、国民の熱烈な支持を得ることができるだろう。
ウクライナ侵攻を開始してからというもの、プーチン大統領はロシア国内での支持率低下を懸念しているとされる。そのような状況でさらなる資金投入や追加動員を行なえば、国民の不満が高まるおそれがあるのだ。
ロシアの情報筋によれば、プーチン大統領は西側諸国がロシアとウクライナの和平交渉を妨害していると考えて苛立ちを募らせており、そのことを側近たちに隠そうともしないのだという。
プーチン大統領はまた、ウクライナのゼレンスキー政権が断固抗戦する構えを崩していないことにも「失望」しているそうだ。スカイ・ニュース放送によれば、ゼレンスキー大統領は2022年に、ロシアとのあらゆる交渉を「不可能」とする法令に署名したとのこと。
しかし、『ル・モンド』紙によれば、プーチン大統領はパリ五輪を機に一時停戦するというマクロン仏大統領の提案をにべもなく断ったとされる。
一方、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官はロイター通信に対し、ロシアは常に対話に前向きであり、「永遠の戦争」は望まないとコメント。
ともあれ、現時点ではロシアとウクライナの間で和平合意が結ばれる気配はない。果たして、両者が納得するような条件のもと、停戦に至る可能性はあるのだろうか?
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