イグ・ノーベル生理学賞を日本の研究チームが受賞:実証したのは「肛門呼吸」

「イグ・ノーベル賞」とは
権威はないが、単なるジョークでもない
イグ・ノーベル生理学賞
哺乳類は肛門で呼吸ができる
研究の詳細
「信じてくださってありがとうございます」
「まずは笑わせ、そして、考えさせる」
学術的な評価
ミサイルにハト?
賞金はなし
「イグ・ノーベル賞」とは

「イグ・ノーベル賞」について聞いたことがあるだろうか。これは、人々を笑わせるような突拍子もない研究に対して贈られるノーベル賞のパロディだ。

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画像:Youtube - Improbable Research

権威はないが、単なるジョークでもない

このようないきさつからして権威ある賞というわけではないのだが、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学の教授が選考委員を務めるなど、単なるジョークではない本格的な側面も持ち合わせている。

 

画像:Youtube - Improbable Research

イグ・ノーベル生理学賞

とはいえ、イグ・ノーベル賞の授賞式は本家ノーベル賞のものと違ってかなりユルい雰囲気だ。そして、肝心の受賞理由はご覧のとおり、突拍子もない研究だ。

 

画像:Youtube - Improbable Research

哺乳類は肛門で呼吸ができる

今年のイグ・ノーベル生理学賞を獲得した日本の研究チームは、ブタとマウスが肛門で呼吸できることを実証してしまったのだ。

画像:Youtube - Improbable Research

研究の詳細

NHKによれば、大阪大学の武部貴則教授が率いる研究チームは、低酸素状態に置かれたブタとマウスの肛門に高濃度の酸素を溶かした液体を送り込むと、血中の酸素が増え、呼吸不全が改善されることを確かめたそうだ。

画像:Unsplash - Christopher Carson

 

「信じてくださってありがとうございます」

授賞式で武部教授は開口一番に、「肛門に呼吸機能があるということを信じてくださってありがとうございます」とあいさつしたという。

画像:Youtube - Improbable Research

「まずは笑わせ、そして、考えさせる」

イグ・ノーベル賞のモットーは「まずは笑わせ、そして、考えさせる」だ。そんなわけで、受賞者たちは頭にドジョウのぬいぐるみを乗せて授賞式に登場し、ブタのぬいぐるみを使って研究内容を説明するなど、趣向を凝らしていた。ちなみに、ドジョウは腸呼吸を行うことが知られており、今回の研究はそのことに着想を得たものだったのだ。

画像:Youtube - Improbable Research

学術的な評価

今年も、授賞式には珍妙なアイデアを探究した研究者たちが勢ぞろいしたが、研究そのものは学術的にきちんと行われている。イグ・ノーベル賞はノーベル賞のパロディだが、これを受賞するというのはサイエンスの世界で評価されたということなのだ。

 

ミサイルにハト?

今回のイグ・ノーベル賞は10部門が対象となり、ハトを利用したミサイル誘導の可能性を追究したハーバード大学のB・J・スキナー教授にはイグ・ノーベル平和賞が与えられている。

画像:Youtube - Improbable Research

賞金はなし

権威よりもユーモアを重んじるイグ・ノーベル賞だが、実は今年で第34回を迎えており、確実に歴史を積み上げつつある。ちなみに、賞金は出ないが、研究内容に関連する副賞が贈られるそうだ。

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