懐かしくて新しい、めくるめくカプセルトイの世界
だれでも幼い頃に、何が出るのかワクワクしながら硬貨を投入した経験があるのではないだろうか。「ガチャガチャ」や「ガシャポン」などさまざまな愛称で親しまれているカプセルトイは、いまや世代を超えて愛され、さらには海外でも支持を集めるようになっている。
世界的に見ても、カプセルトイがこれほど人気を博している国は日本をおいて他にない。けれども、カプセルトイが日本発のアイデアかと言えば、そうではない。では、どのような経緯で日本にやってきたのだろう?
「日本ガチャガチャ協会」が運営するサイト「ガチャガチャラボ」によれば、カプセルトイが初めて日本にもたらされたのは1965年のこと。最初は米国から貿易会社によって導入されたが、ガチャビジネスを手掛ける国内企業が続々と登場し、日本各地に広がっていったとのこと。
同サイトによれば、日本におけるカプセルトイはこれまでに何度かターニングポイントを迎えているそうだ。とりわけ、2000年前後から、それまでの子供向けの商品とは異なる、大人をターゲットにしたカプセルトイが登場。いわゆるオタク文化が浸透しはじめ、フィギュアのコレクションが趣味として受け入れられるようになると、カプセルトイもサブカルチャーとしての地位を確立していった。
大人がターゲットになったことで、中身のクオリティは格段にアップする。同時に、「コップのフチ子」をはじめとする、奇抜なシリーズが世に送り出され、大人世代では男性中心だった購買層が、最近ではむしろ女性にシフトしてきている。
このような成功例が現れると各社が追随するようになり、カプセルトイは日本文化を代表する一大ビジネスへと成長。ついには、ガチャマシンを大量に設置したカプセルトイの専門店まで現れるようになった。
画像:Kyodo News Images
さらに、このところ急増するインバウンド客をターゲットとするため、各地の空港でもガチャマシンが普及するようになった。これは、外国人旅行者が出国前に、あまった小銭をカプセルトイという形でお土産に変えることができるという仕組みだ。
画像:Kyodo News Images
もともと米国から導入されたカプセルトイだが、ここまで人気を博すようになったのは日本のポップカルチャーによるところが大きい。そして、最近では日本でガチャガチャビジネスを展開する企業が海外進出を果たすケースも増えているようだ。
画像:Kyodo News Images
前出の「ガチャガチャラボ」によれば、中国や韓国、台湾といった東アジアの国々にもカプセルトイブームが波及し、各国のオリジナル製品が生み出されて、独自の進化を見せつつあるとのこと。
画像は台湾の高雄市に設置されたガチャマシン
ガチャマシンを見かけると、ついついやってみたくなってしまうのは、欲しいものが出るかどうかわからないという、運試しの要素があるためだろう。とはいえ、狙ったものでないとしても、必ず何かは出てくるので、損することがないという安心感もある。街角で出くわしたら、ぜひ試してみてはいかがだろうか?
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