トランプ氏との不倫で口止め料を受け取ったアダルト女優、ストーミー・ダニエルズが裁判で証言
2006年、若いアダルト女優だったストーミー・ダニエルズは、ホワイトハウスの主になる前のトランプ前大統領と知り合った。やがて2人は親密な関係を持ったというが、めぐりめぐって訴訟に発展。5月7日に出廷したダニエルズは、事のあらましを赤裸々に証言した。
『ニューヨーク・タイムズ』紙の記事によれば、ニューヨークの法廷で行われたダニエルズの証言は6時間に及んだという。その中で、ダニエルズはトランプ元大統領の振る舞いが「無礼」だったため、丸めた雑誌でおしりを叩いて仕返ししたことなどを語った。
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『Page Six』紙によれば、ダニエルズの証言はきわどい内容を詳細に語るものだったので、陪審員たちは赤面したり苦笑したりするほどだったらしい。これを受けて、判事はダニエルズに対し、質疑応答の趣旨から逸脱しないよう求めたそうだ。
2人が出会ったのはタホ湖畔にあるセレブ御用達のゴルフトーナメントだった。トランプ元大統領は自身が滞在していた高級ホテルの豪華なスイートルームにダニエルズを招き、ディナーを共にしたそうだ。
『ニューヨーク・タイムズ』紙によれば、ダニエルズを出迎えたトランプ元大統領は「シルクのパジャマ姿」だったという。さらに、ダニエルズが化粧室から出てくると、トランプ元大統領は下着一枚になっていたそうだ。
当時、トランプ元大統領はすでにメラニア夫人と結婚していたため、スイートルームで2人きりになったダニエルズはそのことを話題にした。すると、「別々のベッドで寝ている」ので心配無用だという答えが返ってきたという。
ダニエルズは証言の中で、その夜のトランプ元大統領について「尊大」かつ「傲慢」だったとコメント。
『ニューヨーク・タイムズ』紙いわく、ダニエルズは「彼(トランプ元大統領)が無礼だったので、冗談交じりに丸めた雑誌でおしりを叩いて」仕返ししたとのこと。
裁判記録によれば、トランプ元大統領は証言の間じゅう、首を横に振ったり、「ナンセンス」とつぶやいたりして判事に注意されたという。
ダニエルズがトランプ元大統領のスイートルームで、仰向けになって無防備な姿を晒したことを語り出すと、検察や弁護人、判事、陪審員は顔をしかめて合意はあったのかと尋ねた。
これに対し、ダニエルズは強制されたわけではないが、力関係は不均衡だったとした。というのも、ダニエルズの目的はトランプ元大統領が主宰するリアリティ番組に出演することだったからだ。
しかし、合意の上でのことであれば、トランプ元大統領はなぜ被告席に立っているのだろうか? BBC放送によれば、「(トランプ大統領は)女優ステファニー・クリフォード(通称ストーミー・ダニエルズ)に口止め料を支払ったと見られているが、その事実を隠蔽するために文書を偽造した疑いで告発されている」ということらしい。
『ニューヨーク・タイムズ』紙の指摘によれば、ダニエルズは密会について黙っている代わりに13万ドルの口止め料を受け取ったと証言。ただし、トランプ元大統領との一夜について口外しなかったのは、口止め料云々よりも単に「怖かったから」だと主張している。
一方、トランプ元大統領の弁護団はダニエルズがうその証言をしている可能性を示唆するため、「ミスター・トランプは嫌いですか?」と質問。これに対し、ダニエルズは「はい」と即答してしまった。
その後、トランプ元大統領の弁護人とダニエルズはともに声を荒げはじめ、法廷は騒然となった。結局、ダニエルズはトランプ元大統領を侮辱したことを認めたが、それはトランプ元大統領に侮辱されたことに対する仕返しだと主張している。
ダニエルズの証言は裁判の行方を左右するものだが、現段階では検察側とトランプ元大統領のどちらに有利なのか、あまりはっきりしない。トランプ元大統領が口止め料を支払っていたことは間違いなさそうだが、ダニエルズは彼を嫌っていると白状してしまった上、きわどい内容を連発して陪審員をたじろがせているのだ。
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