米軍エースパイロット、ウクライナで戦闘機F-16を操縦する意思あり

アメリカのエースパイロットがウクライナで戦闘機を操縦?
「頼りにしてください」
大きな影響がある
違いに慣れられるか
ウクライナのパイロットは優秀。だが……
訓練には時間がかかる
そもそもF-16は供与されるのか?
バイデン大統領は否定
アメリカ政府も一枚岩ではない
勝利のためにはF-16が必要?
ゲームチェンジャーになり得る
イギリスは積極的な姿勢
訓練時間の違い
アメリカ式の戦略を採用するべき
西側のやり方を導入
整備も問題に
供与されれば戦局を大きく動かすはず
アメリカのエースパイロットがウクライナで戦闘機を操縦?

アメリカ国営放送『ボイス・オブ・アメリカ』で最近行われたインタビューによると、アメリカでも指折りのF-16パイロットが、必要とあらばウクライナで戦闘に参加する意思があると述べたという。

「頼りにしてください」

「私が自ら行きますよ。頼りにしてください」と語ったのはダン・「トゥー・ドッグズ」・ハンプトン退役中佐だ。この発言は『ボイス・オブ・アメリカ』とのインタビューでアメリカの戦闘機F-16がウクライナの戦況に及ぼし得る影響について語っている時に出たものだった。

写真:via Wikimedia Commons, U.S. Air Force, https://en.wikipedia.org/wiki/File:Dan_Hampton_-_pilot.jpg

大きな影響がある

ハンプトンは『ボイス・オブ・アメリカ』のマリア・プラスにこう語った:「たしかにF-16が戦闘に参加すれば大きな影響があるでしょうが、パイロットの質にもよりますね」

違いに慣れられるか

ハンプトンはウクライナ空軍のパイロットがF-16を操縦することに反対しているわけではない。ただ、近代的な戦闘機に慣れることができるかを不安視しているようだ。

ウクライナのパイロットは優秀。だが……

ハンプトンはプラスにこう語る:「ウクライナ空軍のパイロットは大変有能です。ですが、F-16はいままで操縦してきた機体とは大きく異なります。乗ってみたらわかることですが」

訓練には時間がかかる

ハンプトンはさらにこう続ける:「新しいタイプの戦闘機に慣れるためにはしばらくかかるでしょう。F-16のように最新鋭の機体となればなおさらです」

そもそもF-16は供与されるのか?

ウクライナに対する軍事支援はアメリカや同盟国が非常に慎重に計画を練っており、ウクライナが最大限その効果を発揮できるよう検討を重ねられている。F-16戦闘機の供与も高官レベルで数か月検討されてきた。

バイデン大統領は否定

一月にはバイデン大統領が最新鋭の戦闘機の供与に対して後ろ向きな姿勢を表明。記者会見で戦闘機をウクライナに供与するかという質問にただ一言、「ノー」と答えたのだ。

アメリカ政府も一枚岩ではない

ただし、バイデン大統領の思惑はアメリカ政府全体の意思というわけではない。3月半ばには8人の上院議員からなる超党派のグループが再びこの問題を取り上げた。

勝利のためにはF-16が必要?

そのグループはバイデン大統領に対し次のような書簡を出した:「先月開催されたミュンヘン安全保障会議においてアメリカやウクライナ、同盟諸国のリーダーたちと話し合った結果、我々としてはアメリカ政府はウクライナへのF-16戦闘機の供与を前向きに検討する必要を強く感じています」

ゲームチェンジャーになり得る

政治メディア『ポリティコ』によると、書簡はこう続いている:「F-16の持つ能力は戦場においてゲームチェンジャーとなり得るでしょう」

イギリスは積極的な姿勢

2月にはイギリスのリシ・スナク首相がウクライナのパイロットをNATO標準の戦闘機で訓練することを提案、アメリカの方針よりも積極的な姿勢を表明した。この訓練プランは、もし西側諸国がF-16をウクライナに供与することになれば非常に重要なものとなる。

訓練時間の違い

ハンプトンによるとウクライナのパイロットの年間訓練時間は約40~50時間だが、彼は訓練だけでも年間300時間ほど飛行しているという。

アメリカ式の戦略を採用するべき

ハンプトンはこう語っている:「こういうことにかけては我々のほうが上手です。F-16などの近代的な戦闘機をウクライナ空軍で活用するためには、旧来のソ連やロシアでのやり方はいったん忘れる必要があるでしょう」

西側のやり方を導入

ハンプトンいわく、仮にウクライナがF-16を受け取ったとして、成功の鍵となるのは「NATO諸国や西側諸国、アメリカのようなやり方をすることです。戦闘機を活用したいのならね」ということだそうだ。

整備も問題に

また、F-16については整備も問題だとハンプトンは語っている:「それがすべてというわけではありません。ですが、戦時における戦闘機の整備は平時とはまったく別物です」

供与されれば戦局を大きく動かすはず

それでも、ハンプトンはF-16の性能があればウクライナでの空戦は大きく変わると考えている。そして、もし必要なら自らウクライナでF-16を操縦することも辞さない姿勢を見せている。

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