イランのライシ大統領がヘリコプター事故で墜落死:22日に葬儀が営まれる

イランの指導者が墜落事故死
イラン北西部の山中に墜落
イラン政府の声明
「悪天候が原因」とするイラン当局
アブドラヒアン外相も死亡
2021年に大統領就任
イラン革命の精神を体現
ハメネイ師の後継候補
頻発するデモ
諸外国との緊張状態
大統領選挙は6月28日
ライシ大統領ら犠牲者の葬儀
イランの指導者が墜落事故死

中東情勢が緊迫する中、イランのエブラヒム・ライシ大統領が搭乗ヘリの墜落事故により、死亡したという予期せぬ出来事が起こった。

 

イラン北西部の山中に墜落

『ニューヨーク・タイムズ』紙によれば、ライシ大統領を乗せたヘリコプターはイラン北西部の山中に墜落したとのこと。

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イラン政府の声明

イラン政府は事故後に声明を発表:「イラン・イスラム共和国大統領、エブラヒム・ライシ師が職務中に死亡しました。同氏を乗せたヘリコプターは(中略)悪天候による事故に見舞われたものと見られます」とした。

 

「悪天候が原因」とするイラン当局

核開発問題やウクライナ侵攻、ガザ情勢を巡ってイランは諸外国と緊張状態にあり、今回のヘリコプター事故はさまざまな憶測を産みかねないものだった。そこで、イラン当局としては声明を通じて、そのような見方を打ち消したということのようだ。

 

アブドラヒアン外相も死亡

このヘリコプターにはライシ大統領のほか、アブドラヒアン外相をはじめ合計9人が搭乗していたが、ロイター通信によれば、全員の死亡が確認されたという。

2021年に大統領就任

エブラヒム・ライシ大統領(63)はイラン政界きっての強硬派として知られており、保守派勢力の支持のもと、穏健派だったロウハニ前大統領に代わって2021年に大統領となった。

 

イラン革命の精神を体現

ライシ大統領は反体制的な抗議デモを躊躇なく弾圧したことで知られる。CNN放送いわく、「1979年に発生したイラン革命の精神を体現する人物であり、人々が非常に保守的な制度にうんざりしはじめても、イラン革命を堅持してきた」とのこと。

ハメネイ師の後継候補

ライシ大統領は最高指導者アリ・ハメネイ師の後継者候補と目されていた。しかし、ライシ大統領の事故死により、この計画が水泡に帰したのは言うまでもない。

頻発するデモ

イランでは、へジャブを着用していない女性が逮捕・虐待されるなど、息苦しい制度が敷かれており、これに反発する若者たちによるデモが頻発している。しかし、現体制がぐらつく様子はない。

 

諸外国との緊張状態

さらに、イランは欧米諸国との対立やイスラエルとの衝突など、多くの火種を抱えており、不安定な状況に置かれている。

 

大統領選挙は6月28日

CNN放送によれば、ライシ大統領の死亡に伴う大統領選挙は6月28日に行われるという。それまでは、ライシ政権で第1副大統領の座にあったモフベル氏が暫定大統領として職務に当たるとのこと。

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ライシ大統領ら犠牲者の葬儀

22日、首都テヘランでライシ大統領を始め事故で犠牲になった人々の葬儀が営まれた。そこには現在、イスラエルと戦闘を続けるイスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤや、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの幹部カセム師も列席した。

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