「10代にとってインスタグラムは有害」:フェイスブックの調査で明らかになったマイナス影響

インスタグラムの影響
内部文書から明らかになった有害性
3人のうち1人に対し、ボディイメージを悪化
インスタグラムにより不安が増加したティーンエージャー
引き起こされるうつ状態
対処を怠るフェイスブック
インスタグラムはメンタルヘルスにプラス?
メンタルヘルスに対する影響を最小化
若手ユーザーの裾野を拡大
調査の実施方法
インスタグラム特有の現象
他人との比較
ボディイメージとライフスタイル
摂食障害やうつ病
2020年から問題を認識していたマーク・ザッカーバーク
子供向けインスタグラム
インスタグラムが子どもに与える影響
調査結果を提出せしなかったフェイスブック
インスタグラムの影響

フェイスブックは過去3年間にわたり、写真共有アプリ「インスタグラム」が数百万人の若いユーザーたちの精神衛生にどのような影響を与えるかを調査してきた。調査対象とされたユーザーの40%以上は22歳以下だ。

 

内部文書から明らかになった有害性

『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌が入手したフェイスブックの内部文書によれば、同社の研究者はインスタグラムがユーザーの大部分、特に10代の少女たちにとって有害であることを以前から認識していたという。

写真: Freestocks/Unsplash

3人のうち1人に対し、ボディイメージを悪化

『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌によれば、2019年のプレゼン用スライドには「当社は10代の少女3人のうち1人について、ボディイメージを悪化させている」という一文があり、それがフェイスブック社内掲示板に投稿されたという。

インスタグラムにより不安が増加したティーンエージャー

『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌が閲覧した別のスライドにはこう書かれていた。「十代の若者たちは、インスタグラムにより不安や鬱の割合が増えたとしている」

 

 

引き起こされるうつ状態

自身の命を絶つことを考えていると答えた10代のイギリス人ユーザー13%、アメリカ人ユーザーの6%が、その願望がインスタグラムに起因するとしたと、プレゼンテーションには記されていた。

対処を怠るフェイスブック

インスタグラムの文書は、『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌が閲覧したフェイスブックの内部コミュニケーション資料の一部で、フェイスブックがこれらの問題に対処せず、実際には公表を最小限に抑えていることを示している。

インスタグラムはメンタルヘルスにプラス?

フェイスブックのCEOであるマーク・ザッカーバーグは、3月に行われた議会の公聴会で、子どもとメンタルヘルスについて質問された。それに対し、「ソーシャルアプリを使って他の人とつながることには、精神衛生上良い効果があるという研究結果があります」と答えている。

メンタルヘルスに対する影響を最小化

そして5月、インスタグラムの最高経営責任者アダム・モセリは、研究結果は10代のメンタルヘルスに対するアプリの影響は「かなり小さい」ことを示唆しているとした。

 

若手ユーザーの裾野を拡大

『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌が調べた資料にはこう書かれていた。「2012年にインスタグラムを10億ドルで買収したフェイスブックにとって、若手ユーザーの裾野を広げることは極めて重要なことだった。近年、ソーシャルメディアとしてフェイスブックを使う若者が少なくなっていたからだ」

 

調査の実施方法

インスタグラムが与える影響についての調査は数万人を対象に行われ、フォーカスグループ、日記調査、アンケート調査といった手法が取られた。

 

インスタグラム特有の現象

『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌によれば、18カ月間で5回に分けて行われた発表で、研究者たちは、問題の一部はソーシャルメディア全般ではなくインスタグラム特有のものであることを発見したという。

 

 

他人との比較

フェイスブックの調査は、投稿を行う他人と自分を比較するユーザー傾向について、「社交的比較はインスタグラムでよりネガティブなものとなっている」としている。

 

ボディイメージとライフスタイル

短編動画アプリのTikTokをはじめ、他のアプリがパフォーマンスに立脚しているのに対し、インスタグラムは各自の外見やライフスタイルに焦点をあてている。

摂食障害やうつ病

パーフェクトな外見や理想的な生き方を迫られるプレッシャーが、10代の若者を摂食障害やうつ病に向かわせる可能性があることを、内部調査が明らかにしている。

2020年から問題を認識していたマーク・ザッカーバーク

『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌が確認した文書によれば、フェイスブックの調査結果は同社幹部によって検討され、2020年にはCEOのザッカーバーグに伝えられていたという。

子供向けインスタグラム

しかし、昨年3月に行われた講習会でインスタグラムが若者に与える影響について質問された際、マーク・ザッカーバーグは、13歳以下の子ども向けインスタグラムの開発計画を擁護している。

インスタグラムが子どもに与える影響

そして、「フェイスブックはインスタグラムが子どもに与える影響について調査したのか」と問われたマーク・ザッカーバーグは、「答えは『イエス』だと確信しています」とした。

調査結果を提出せしなかったフェイスブック

さらに、8月には複数の上院議員がフェイスブックに対し、インスタグラムが若者のメンタルヘルスに与える影響に関する社内調査結果を送るよう求めた。これを受けてフェイスブックは6ページの書簡を提出したが、そこには社内調査の結果は含まれていなかった。

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