ロシアの電子戦装備に対抗、ウクライナが新型無線機を開発
ウクライナ当局によると、同国の開発プロジェクトが、ロシアの電子戦装備によってジャミング(通信妨害)されない新たな無線を開発したという。
この新装備は、ウクライナのミハイロ・フェドロフ第一副首相兼デジタル改革担当大臣がテレグラム上で存在を明かしたもの。その性能やなぜ有効なのかも説明されている。
ロシアは今回の侵攻において電子戦装備を使用し続けていた。そのため、ジャミング不可能な無線システムを構築することはウクライナ側にとって非常に重要な課題となっていた。
今回、ウクライナの開発プロジェクトがロシアの先進的な電子戦装備を以ってしてもジャミング不可能な携帯型無線システムを開発したのは、そのような理由があってのことだ。
そういった需要に応える形で作られたのが、ウクライナの防衛技術プロジェクト「Brave 1」発の新型無線「Himera Radio」であり、ロシアの電子戦装備に対して非常に有効であることが実証されつつある。
写真:Facebook @HimeraUkraine
軍事メディア「Army Inform」によると、この新型無線は暗号化方式に256bit AES(Advanced Encryption Standard)方式を採用、周波数ホッピング・スペクトラム拡散といったシステムも用いてロシアの電子戦装備をかいくぐっているのだという。ニュースサイト「ユーロマイダン・プレス」が報じている。
この新型無線は戦場で4日間連続使用可能、シチュエーションアウェアネス(早期発見・警戒)システムに統合可能なほか、利用者の位置をGPS経由で特定して避難させることなどもできるという。
写真:Facebook @HimeraUkraine
フェドロフ大臣の投稿によれば、この無線機があれば、ウクライナの兵士たちが常に交信可能となり、指揮官らがより効率的に部隊を展開することができるようになるという。
写真:Facebook @HimeraUkraine
フェドロフ大臣によると、この無線システムは暗号化されており、ロシアにも解読不可能だという。これが事実なら、ウクライナ軍は非常に強力な道具を手に入れたことになる。
写真:Facebook @HimeraUkraine
こうした開発もあり、「Brave 1」はウクライナのITイベント「ITアリーナ2023」でも最優秀防衛スタートアップ賞を受賞、賞金の1万ドルを使って新型無線機の量産に動くということだ。
写真:Facebook @HimeraUkraine