ウクライナの自爆ドローン、ロシア軍の貴重なロケットランチャーを破壊

動画で判明したロシア軍の装備喪失
破壊されたロシア軍のTOS-1A
ロケット弾を回避
一斉射撃の隙をついて接近
弾幕をかいぐぐって背後に
背後から不意打ち
本当に破壊されたのか?
世界で2番目に強力な軍隊...
「完全に勝利するまでやめない」
ロシア軍が失ったTOS-1Aは何台?
Oryxのデータ
破壊力の大きな兵器
サーモバリック弾頭を自在に発射
TOS-1A「ソルンツェペク」
6~12秒で発射
可燃性ガスを放出
利用法は?
TOS-1Aの運用コスト
動画で判明したロシア軍の装備喪失

ウクライナ保安庁が公開した動画によれば、ロシア軍はまたしても高価かつ貴重な重火力投射システムを失ったようだ。

 

破壊されたロシア軍のTOS-1A

ウクライナ保安庁のアルファ部隊所属の隊員たちは、ドローンを利用してロシア軍の多連装サーモバリック弾頭ロケットランチャー「TOS-1A」を破壊することに成功。

 

ロケット弾を回避

ウクライナ保安庁が公開したビデオには、同庁アルファ部隊がロシア軍のTOS-1Aを破壊するため、降り注ぐロケット弾をかわしながら作戦を遂行する様子が映されていた。

画像:Twitter @NOELreports(スクリーンショット)

一斉射撃の隙をついて接近

ドローン視点で撮影された30秒あまりの動画によれば、ウクライナ保安庁のドローンはTOS-1Aが一斉射撃を行った隙に接近。

Twitter @NOELreports(スクリーンショット)

弾幕をかいぐぐって背後に

どうやら、ウクライナ保安庁の操縦するドローンは弾幕をあっさりかいくぐり砲煙に飛び込むと、ロシア軍の車両の背後に回り込んだようだ。

Twitter @NOELreports(スクリーンショット)

背後から不意打ち

その後、ドローンはTOS-1Aのロケット弾発射装置上部に急接近。そこには、ロシア軍がこの戦争のシンボルとして使っている「Z」のマークがあった。

Twitter @NOELreports(スクリーンショット)

本当に破壊されたのか?

最後にドローンはTOS-1A目がけて突入。ただし、このロケットランチャーが本当に破壊されたことを示す他の証拠はない。

Twitter @NOELreports(スクリーンショット)

世界で2番目に強力な軍隊...

「『世界第2位の軍隊』はまたしても『アナログ』兵器を失った」:ウクライナ保安庁が3月8日に公開したテレグラム投稿にはこんなコメントが付されていた。

 

「完全に勝利するまでやめない」

同庁はさらに「我々は完全な勝利を手にするまでやめない」と続けたが、ロシア軍のTOS-1Aがいつどこで破壊されたのかについては言及しなかった。

 

ロシア軍が失ったTOS-1Aは何台?

オランダのオープンソース・インテリジェンス・グループ「Oryx」の報告によれば、ロシアはウクライナ侵攻開始以来、TOS-1Aシステムを合計6台失ったとされる。

 

Oryxのデータ

Oryxが映像などから確認したところでは、ロシア軍のTOS-1Aは1台が破壊されもう1台が損傷を受けたほか、残りの4台はウクライナ軍の手によって鹵獲されたという。

写真:Twitter @oryxspioenkop

破壊力の大きな兵器

重火力投射システム「TOS-1A」は、ロシア軍が保有する兵器の中でもとくに大きな破壊力を誇ることで知られている。

 

サーモバリック弾頭を自在に発射

『フォーブス』誌のエリック・テグラー記者は2022年3月に、「T-72戦車の上に搭載された(TOS-1Aの)ランチャーは、肺を焼き尽くすサーモバリック弾頭を3.2キロメートル遠方からわずか0.4キロメートル先のターゲットまで自在に狙って発射することができる」と書いている。

写真:Twitter @AeroResearch1

TOS-1A「ソルンツェペク」

今回、ウクライナ保安庁のアルファ部隊が破壊したとされるTOS-1Aは、旧ソ連時代のものより破壊力が向上した最新版「ソルンツェペク」だ。

写真:Twitter @oryxspioenkop

6~12秒で発射

ウェブサイト「Defense Blog」のディラン・マリャソフ氏いわく:「この戦闘車両には無誘導サーモバリックロケット弾24発を装填できる回転式の発射システムが搭載されており、6~12秒ですべて連射することができる」

 

可燃性ガスを放出

同氏によれば、「ソルンツェペクの弾頭は可燃性ガスを雲のように撒き散らし、大規模な爆発を引き起こす」とのこと。

 

利用法は?

同氏はまた、「この恐るべきロケットランチャーは要塞化された陣地や、開けた場所に展開する軽装甲車両あるいは輸送機関を攻撃することを目的に設計されている」としている。

 

TOS-1Aの運用コスト

『ニューズウィーク』誌のニック・モードウェナック記者は、 TOS-1Aシステム1台の運用コストについて「訓練と弾薬」を含めると650万ドルに達する可能性があると指摘している。

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