イェール大学教授が人類に警鐘を鳴らす:世界はすでに第3次世界大戦前夜?
ロシアによるウクライナ侵攻が開始して2年余り、国際情勢はますます緊迫化しており、第3次世界大戦が勃発するおそれも否定しきれない。
仮にいま、世界大戦が勃発すれば、核兵器が用いられる可能性もあり、人類はかつてない危機に直面することになるかもしれない。
では、第3次世界大戦はいつ起こるのだろうか? 『ニューズウィーク』誌の記事によれば、イェール大学で歴史学の教鞭を執るティモシー・スナイダー教授は次のように考えているようだ。
画像:X - @martenkokk
スナイダー教授は現在ウクライナが置かれている状況を1938年のチェコスロバキアと比較。ただし、ドイツに屈したチェコスロバキアと異なり、ウクライナはロシアに抵抗する道を選んだ。
画像:チェコスロバキア国境要塞線を訪れるヒトラー(1938年10月9日)
チェコスロバキアを事実上併合したヒトラー政権は、これを足掛かりとして1939年にポーランド侵攻を開始。第2次世界大戦が勃発することとなった。
エストニアの首都タリンで行われた会議の中で、スナイダー教授は「ウクライナが防衛を諦めたり、我々がウクライナを放棄したりすれば、ロシアは図に乗ってさらなる戦争を巻き起こすでしょう」とコメント。
同教授はさらに、「つまり、ロシアはウクライナの技術と兵力を吸収し、今とは異なる地理的拠点から戦争を行うということです。そうなれば、1939年のようになってしまいます。現在、我々は1938年の状況に置かれているのです。実際、ウクライナのおかげで、我々は今のところ1938年を引き延ばすことができています。1939年の到来を押しとどめてくれているのです」と説明した。
つまり、ウクライナが敗れれば、ロシアはさらに強大化して、遠からず近隣諸国に迫るだろうと言うのだ。
一方、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は欧州諸国の軍をウクライナに派遣する可能性に言及したが、ロシア側はこれに猛反発。ウクライナとの国境地帯で戦術核兵器に関する軍事演習を行った。
また、ロシアのプーチン大統領は、米国をはじめとする西側諸国が直接介入すれば「予測不可能な結果」をもたらすことになるだろう、とたびたび威嚇している。
プーチン大統領の言う「予測不可能な結果」が核兵器の使用を示唆しているのは疑いがない。そして、万が一大規模な核戦争が勃発すれば、人類は存亡の危機に立たされるというのが専門家たちの一致した見解だ。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は自国がロシアに対する防壁になっているという認識を示し、「ウクライナが陥落すれば、いずれあなた方も陥落することになります」と警告。
ウクライナを巡ってロシアと西側諸国はぎりぎりの駆け引きを続けているが、事と次第によっては第3次世界大戦や核戦争のリスクが現実のものとなってしまうかもしれない。
画像:Unsplash - Gerhard Reus