ウクライナ侵攻開始から2年、プーチン政権が被ったあまりに大きな損失とは
プーチン大統領がウクライナ侵攻に乗り出したのは、すぐに勝負がつくはずだという甘い見通しからだった。ところが戦闘は泥沼化の一途を辿り、ロシア軍は大きな損失を出しつづけている。
ウクライナ軍参謀本部は世界に向けて戦果を一日ごとに発信し、破壊に成功した敵方装備の数を更新している。もっとも、ウクライナ軍による自己申告の数字を鵜呑みにすることはできない。
というのも、この戦争の直接的な当事国であるウクライナは、敵軍の損失を多めに発表することでメリットを得られると考えられるからだ。したがって、ウクライナ侵攻でロシア軍が被った損失を正確に見積もるには、戦闘中の双方から独立したソースを参照する必要がある。
たとえば、オランダの軍事情報サイト「Oryx」は、ロシア軍とウクライナ軍双方の損失について信頼できる情報を公開している。「Oryx」は、写真や動画といった映像資料によって確認されるものに限って、撃破、損傷、放棄あるいは鹵獲のカウントを行っているからだ。
「Oryx」の報告によれば、2024年2月13日現在、ロシア軍は侵攻開始時から数えて1万4,333点の車両・火砲・航空機・船舶・装置を失ったという。
その内訳は、撃破が1万18点、損傷が651点、放棄が732点、鹵獲が2,932点となっている。品目ごとの被害状況は次のようになっている。
撃破:1,782両
損傷:149両
放棄:254両
鹵獲:541両
撃破:796両
損傷:32両
放棄:88両
鹵獲:271両
撃破:2,390両
損傷:134両
放棄:255両
鹵獲:621両
撃破:263両
損傷:15両
放棄:23両
鹵獲:93両
撃破:37両
損傷:5両
放棄:1両
鹵獲:10両
撃破:166両
損傷:12両
放棄:5両
鹵獲:51両
撃破:180両
損傷:4両
放棄:2両
鹵獲:83両
写真:Wiki Commons By Vitaly V. Kuzmin
撃破:240両
損傷:15両
放棄:33両
鹵獲:150両
写真:Twitter @Arslon_Xudosi
撃破:18両
損傷:1両
放棄:4両
鹵獲:20両
撃破:58両
放棄:2両
鹵獲:53両
写真:Twitter @UAWeapons
撃破:199門
損傷:41門
放棄:5門
鹵獲:99門
撃破:519両
損傷:38両
放棄:7両
鹵獲:107両
撃破:261両
損傷:30両
放棄:2両
鹵獲:54両
撃破:28門
鹵獲:17門
撃破:14両
損傷:1両
放棄:2両
鹵獲:8両
撃破:148両
損傷:30両
放棄:4両
鹵獲:24両
撃破:41台
損傷:11台
鹵獲:10台
撃破:52基
損傷:11基
鹵獲:7基
写真:Wiki Commons By Vitaly V. Kuzmin
撃破:94機
損傷:8機
撃破:104機
損傷:29機
鹵獲:2機
撃破:11機
鹵獲:3機
撃破:186機
鹵獲:137機
撃破:14隻
損傷:7隻