ロシアがこれまでに失った艦まとめ:ウクライナ軍、敵潜水艦と揚陸艦の破壊に成功

海上戦でも奮闘するウクライナ軍
最近も大きな被害を与えている
潜水艦を破壊
ほかにも被害が
ロシアの損失を振り返る
失った艦艇は10隻
揚陸艇
揚陸艦「サラトフ」
総司令官が確認
ほかにも3隻の船が被害を受ける
巡航ミサイルで旗艦「モスクワ」を撃沈
掃海艦
哨戒艇
救助曳船
フリゲート艦
ロシア軍は攻撃を恐れている
ウクライナ海軍によるコメント
港から出られない
海上戦でも奮闘するウクライナ軍

ロシア軍相手に多くの戦果を挙げているウクライナ軍だが、海上での活躍はあまり話題に上らない。実は、ウクライナ軍はロシアの黒海艦隊にもかなりの損失を与えているのだ。

最近も大きな被害を与えている

侵攻開始以来、ウクライナ軍はロシア海軍に対する攻撃を継続的に行っており、最近もクリミア半島の軍港セヴァストーポリの港湾施設を攻撃、黒海艦隊の貴重な艦艇を破壊している。

写真:LA(Phot) Guy Pool/MOD, OGL v1.0OGL v1.0, via Wikimedia Commons

潜水艦を破壊

『ニューズウィーク』誌によると、写真や動画などの情報から、今回の攻撃ではロシアのキロ級潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」及びロプーチャ級揚陸艦「ミンスク」の2隻に被害が生じたとみられるという。

写真:X(旧Twitter) @Gerashchenko_en

ほかにも被害が

ロシア黒海艦隊の揚陸艦が被害を受けるのはこれが初めてではない。オープンソース分析サイト「Oryx」によると、開戦以来、ロシアは5隻の揚陸艦を破壊されているという。

写真:Mil.ru, CC BY 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/4.0>, via Wikimedia Commons

ロシアの損失を振り返る

「Oryx」は開戦以来継続して宇露双方の損失を計測しており、写真や動画などの証拠がある場合に限って損失として計上している。こういった情報を元に、ロシア黒海艦隊が被った損失を振り返ってみよう。

写真:José María Casanova Colorado, Cartagena from Los Barcos de Eugenio - Eugenio´s Warships, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

失った艦艇は10隻

開戦以来、ロシアは10隻の艦艇を失い、6隻が損傷を被っている。地上では2300両の戦車が破壊されていることを考えると小規模に思えるかもしれないが、決して無視できる数字ではない。

揚陸艇

海防情報サイト「Naval News」の2022年5月の報道によると、黒海に浮かぶウクライナの島、ズミイヌイ島近くでウクライナ軍のドローン「バイラクタルTB2」がロシアのセルナ級揚陸艇(11770型揚陸艇)を破壊したという。のちにウクライナ国防省が攻撃の様子や沈没していく揚陸艇を収めた動画を公開している。

写真:Mil.ru, CC BY 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/4.0>, via Wikimedia Commons

揚陸艦「サラトフ」

2022年3月にはザポリージャ州ベルジャーンシクの港への攻撃によって1171号計画型(タピール級)揚陸艦「サラトフ」が破壊された。一年後になって、ウクライナ軍総司令官ヴァレリー・ザルジニーが公式に確認した。

写真:Водник, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons

総司令官が確認

『ウクライナ・プラウダ』紙によると、ザルジニー総司令官はテレグラム上にこう投稿したという:「一年前の2022年3月24日、ロシア軍がベルジャーンシクの港を占拠中に構築した陣地に対してウクライナ軍はミサイル攻撃を実行した」

ほかにも3隻の船が被害を受ける

ザルジニー総司令官によると、ほかに3隻の船にも被害を与えたという。損傷したのはタピール級揚陸艦「オルスク」、ロプーチャ級揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」、ロプーチャ級揚陸艦「ノボチェルカッスク」とされる。

写真:揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」, Luis Díaz-Bedia Astor, Red Sea, 18th June 2003 from Los Barcos de Eugenio - Eugenio´s Warships, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

巡航ミサイルで旗艦「モスクワ」を撃沈

最大の戦果はなんといっても黒海艦隊旗艦「モスクワ」の撃沈だろう。スラヴァ級ミサイル巡洋艦「モスクワ」は2022年4月、ウクライナ軍の攻撃を受けて沈没した。『アトランティック』誌によると、専門家の見解では巡航ミサイル「ネプチューン」を使った攻撃とみられるという。

写真:George Chernilevsky, Public domain, via Wikimedia Commons

掃海艦

加えて、ロシア軍は掃海艦も1隻失っている。喪失したのはナチャ級(266M型)掃海艦「イワン・ゴルベッツ」と考えられている。SNSアカウント「ウクライナ・ウェポン・トラッカー」が投稿した動画によると、ウクライナ軍は無人海上艦を攻撃に用いたと見られる。

写真:Vyacheslav Argenberg from Rostov-on-Don, Russian Federation, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons

哨戒艇

また、哨戒艇は計5隻が破壊されたほか、2隻が損傷している。被害を受けた艦には最新型のラプター級哨戒艇のほか、BK-16突撃艇、640型哨戒艇などが含まれている。

写真:ラプター級哨戒艇, Andrewrabbott, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

救助曳船

2022年6月には救助曳船「ワシリー・ベフ」が2発のハープーンミサイルを受けて沈没。その様子はバイラクタルTB2が撮影していた。「ウクライナ・ウェポン・トラッカー」が証拠となる動画を投稿している。

写真:Mil.ru, CC BY 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/4.0>, via Wikimedia Commons

フリゲート艦

また、フリゲート艦「ヘーチマン・サハイダーチヌイ」もロシア軍の損失として数えられている。『インディペンデント』紙によれば、同艦はもともとウクライナ海軍所属だったのだが、修理中にロシアによる侵攻が勃発。鹵獲を避けるため自沈した。

写真:U.S. Navy photo by MC2 William Jamieson, Public domain, via Wikimedia Commons

ロシア軍は攻撃を恐れている

ウクライナ軍による攻撃はこれからも続くことだろうが、いままでの戦果だけでも十分に黒海における戦況に影響を与えている。ウクライナ軍高官によれば、ロシア海軍は攻撃を受けることを恐れて艦艇を隠し始めているのだという。

ウクライナ海軍によるコメント

ウクライナ海軍報道官ディミトロ・プレテンチュクは記者会見でこう語っている:「ロシア側はウクライナ海軍のドローンと遭遇することを避けようとしています」『ニューズウィーク』誌が報じた。

港から出られない

プレテンチュクはこう続けている:「ロシア軍は攻撃を恐れており、艦艇をクリミア半島よりも奥の地域や、港湾施設の中に大事に隠している。黒海艦隊の東部基地があるノヴォロシースクにも隠れているようだ」

写真:Arthur Vanzetti, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons

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