ウクライナ軍、ロシア軍の最新兵器「BMP-T テルミナートル」を撃破
ルハーンシク州のセルヒー・ハイダイ長官の報告によれば、ロシア軍の誇る最新兵器「BMP-T テルミナートル」がウクライナ軍の手によって破壊されたようだ。
ハイダイ長官は2月9日、自身のTelegramチャンネル上で、破壊されたロシア軍のBMP-T(戦車支援戦闘車)の映像を公開。
この兵器は2022年5月、満を持してウクライナに投入されたが、今回初めて撃破が確認されたこととなる。
ウェブサイト「Yahoo Finance」によれば、ハイダイ長官はTelegram上で「この戦闘車については『ほぼ』撃破不可能だと言われていた」と書き綴り、皮肉ったとされる。
『ビジネスインサイダー』誌のスティーヴ・バレストリエリ記者によれば、「BMP-T テルミナートル」は敵の対戦車部隊からロシア軍の戦車を保護するために設計されたものだという。
同記者は「BMP-T テルミナートル」について2020年の記事の中で、「この種の兵器に注目が集まるようになったのは、1990年代半ばのチェチェン紛争でロシア軍が壊滅的な被害を受けた時だ」としている。
同記事によれば、「当時のロシア軍はソ連時代の戦術を採用しており、一部の部隊は市街戦で壊滅してしまった」とされる。
ウクライナ侵攻における市街戦もチェチェン紛争に劣らぬ惨状を呈しており、そのことがロシア連邦軍参謀本部によるBMP-T派遣の背景にあるようだ。
12月にロシア側が公開した映像には「BMP-T テルミナートル」がルハーンシク州でウクライナ軍の陣地を攻撃する様子が捉えられており、この兵器が市街戦以外でも役立つことが明らかになった。
ある「BMP-T テルミナートル」搭乗員はロシア国営RIAノーボスチに対し、「最近の戦闘で敵の塹壕は事実上壊滅しており、テルミナートルを目にした敵兵は一目散に逃げだした。見慣れない兵器だったので、理解できなかったのだろう」とコメント。
また、一部の西側ジャーナリストたちもこの戦車支援戦闘車の有効性に触れており、ウクライナの戦場でロシア軍に勝利をもたらす可能性があるとしている。
たとえば、『フォーブス』誌のデイヴィッド・ハンブリング記者は1月に、「BMP-T は手軽な対戦車兵器があふれる現代の戦場で、戦車の弱点をカバーするように設計されている」と論じた。
同記者はさらに、「戦場で最後まで残っている兵器になるかもしれない。すでに議論の的となっている戦車よりも、戦果を左右する可能性もあるのだ」と書いている。
ハンブリング記者によれば、この兵器には射程2,000メートルのスタビライザー付き30ミリ機関砲が一対、射程6000メートルの対戦車誘導ミサイル「9M120 Ataka」が4基搭載されているという。
写真:Twitter @kmldial70
しかし、ウクライナ軍はこの最新兵器に対処する方法を編み出したようだ。BMP-Tに最初の一撃を加えたのが何だったのかは不明だが、ウクライナ海軍第140独立偵察大隊の砲撃によって、直ちに無力化されたのだ。
また、ウクライナ海軍司令部もFacebookで映像をシェア、「あばよ」というコメントを付した。
そして、Google Translationによれば「結局、『無敵』かつ『独創的』と言われた戦闘車両も他の金属スクラップと同じ様に炎上したのだ。海軍とウクライナに栄光あれ」と締めくくっている。