ウクライナ軍、ロシア軍のSu-34戦闘爆撃機の撃墜に成功
プーチン政権がウクライナへの侵攻を開始してからというもの、ウクライナ軍は様々な方法を駆使してロシア軍機を数多く撃墜してきた。なかでも、2024年8月にはSu-34を撃ち落とし、大きな話題を呼んだ。
2024年8月、ウクライナ軍参謀本部は自国の部隊がクルスク州(ロシア領)で発生した夜間戦闘において、敵のSu-34戦闘爆撃機を撃墜したと発表。
Su-34は1990年代に当時のソ連が開発した戦闘爆撃機であり、ロシア軍はウクライナ侵攻においてもこの戦闘機を多用している。
『キーウ・ポスト』紙によれば、ウクライナ軍参謀本部は「占領軍と彼らの装備、兵器を排除する作業は容赦なく続けられています。力を合わせれば、勝てるはずです」とコメント。
当時、ネット上ではSu-34撃墜の様子を捉えたとされる動画が出回ったが、真夜中に遠くで大爆発が起こっているのが映っているのみであり、同機が本当に撃墜されたのかどうか、映像から判断することはできなかった。
画像:X @KyivPost
また、報道各社もSu-34の撃墜を独自に確認することはできなかったと報じていた。一方、ウクライナ国防省はSNSアカウントを通じて、ロシア軍機の撃墜を主張した。
画像:X @DefenceU
もし、Su-34の撃墜が事実なら、逆侵攻を受けるクルスク州からウクライナ軍を押し返そうとしているロシア軍にとっては大きな打撃となったはずだ。
ニュースメディア「ビジネスインサイダー」によれば、Su-34はロシア空軍が保有する戦闘爆撃機の中でも屈指の有用性をもつ機体であり、そのコストは3,600万ドルあまりだという。
画像:Wiki Commons By Alex Beltyukov, CC BY-SA 3.0
また、『ナショナル・インタレスト』誌いわく、Su-34はロシア軍が誇る最新鋭の戦闘爆撃機だ。
『キーウ・ポスト』紙によれば、Su-34は「戦術・戦略的な爆撃任務」のために設計されており、数種類の兵器を搭載できるとのこと。
Su-34はKh-31やKh-59といった空対地ミサイルのほか、クラスター爆弾や高性能爆弾、KAB-500をはじめとする誘導爆弾を搭載できる。
また、Su-34は戦闘爆撃機として、さまざまな地上目標を攻撃できるように設計されている。具体的には軍事装備や兵員、インフラ、建物、橋梁などだ。
『フォーブス』誌のデイヴィッド・アックス記者はSu-34について、ロシア軍が誇る最高の戦闘爆撃機だと評価。同時に、ロシア空軍はこの機種のほかに戦闘爆撃機を保有していないと指摘した。
同記者いわく、Su-34は「高性能センサーや航空関連機器、洗練された兵器」を搭載しており、「不意に現れた標的をすばやく探知し、攻撃できる」とのこと。
一方、『キーウ・ポスト』紙によれば、Su-34には「ミサイルや防空システムから」から機体を守るための電子戦システムが搭載されているそうだ。しかし、クルスク州では撃墜の憂き目に遭ってしまったようだ。
「ビジネスインサイダー」によれば、ウクライナ軍は開戦以来、ロシア軍のSu-34を数機撃墜しているようだ。実際、2024年2月には、1週間のうちにSu-34を4機撃墜したとされている。
オープンソースインテリジェンス大手「Oryx」が公表したデータによれば、ロシア軍は2024年12月30日の時点で、Su-34を36機、Su-34Mを1機失ったとされている。しかも、この数字には、画像や映像などによって検証可能なものしか含まれていない。
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