ウクライナが自国軍の戦死者数を3万人あまりと発表:外部推計との間にでズレが?

ゼレンスキー大統領の発表
口を閉ざしてきたウクライナ当局
前回の発表は2022年12月
開戦2周年
大統領のコメント
「私たちにとって大きな損失」
ロシア側の主張に反論するため
ロシア国防相はウクライナ軍の死傷者数について38万人と主張
正確な戦死者数は不明
米国防総省の推計
ここ1年の損害次第では……
 匿名の当局者
ロシア軍の損害は?
反転攻勢の計画が漏れていた?
今年も反転攻勢を実施する予定
西側諸国による支援が頼り
ゼレンスキー大統領の発表

ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、ウクライナのゼレンスキー大統領はようやく自国が被った損害に言及した。しかし、今回発表された数字は、第三者が行った推計との間でズレが見られるものとなっている。

 

 

 

口を閉ざしてきたウクライナ当局

ウクライナ当局はこれまで、自国の戦死者数について固く口を閉ざしてきた。『ワシントン・ポスト』紙によれば、ウクライナが最後に死傷者数を公表したのは2022年12月だったという。

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前回の発表は2022年12月

BBC放送によれば、ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領府顧問は当時、ロシア軍との戦闘によってウクライナ兵1万~1万3,000人が命を落としたと述べていた。それからおよそ1年あまりたった現在、戦死者数は2倍あまりに増えてしまったことになる。

開戦2周年

ゼレンスキー大統領は開戦2周年を迎えた2月25日に記者会見を開き、ウクライナ軍はこれまでに3万人あまりの戦死者を出していると明かした。しかし、この数字の信憑性を確認できなかったとするメディアもある。

 

 

大統領のコメント

『ワシントン・ポスト』紙はゼレンスキー大統領の言葉として、「わが軍が被った戦死者数について語る権利が私にあるでしょうか。ひとりひとりの死はすべて悲劇なのです…… この戦争でウクライナ兵3万1,000人が命を落としました」というコメントを報道。

 

「私たちにとって大きな損失」

『ニューヨーク・タイムズ』紙によれば、同大統領は戦死者数について「これは私たちにとって大きな損失です」と述べたものの、行方不明および負傷者の数についてはロシアを利する可能性があるとしてコメントを避けたようだ。

 

ロシア側の主張に反論するため

ゼレンスキー大統領が今回、戦死者数を明かしたのには訳がある。『ル・モンド』紙いわく、「プーチン大統領とその取り巻きは(ウクライナ軍の戦死者数について)30万人や15万人などと嘘をついている」が、これに反論するのが目的だったというのだ。

 

ロシア国防相はウクライナ軍の死傷者数について38万人と主張

同紙によれば、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は昨年12月、ウクライナ軍の死傷者数について38万3,000人に上ると主張したそうだ。ゼレンスキー大統領の発表に負傷者数は含まれていなかったとはいえ、ロシア側の推計はウクライナの主張を大幅に上回る数字となっている。

正確な戦死者数は不明

ウクライナ軍の戦死者数について正確なところはわかっていない。しかし、今回ゼレンスキー大統領が公表した数字は米軍による推計と合致するものと見られている。

米国防総省の推計

米国防総省の機密文書を入手した『ワシントン・ポスト』紙によれば、その文書は2023年2月21日付であり、ウクライナ軍の戦死者数について1万5,500~1万7,000人と見積もっていたとされる。そして、およそ1年後に発表されたウクライナ当局の推計では戦死者数がほぼ2倍になっており、ほぼ辻褄が合うというわけだ。

ここ1年の損害次第では……

ただし、2023年2月21日から2024年2月25日にかけてウクライナ軍が失った兵士の数が、前年と同程度だったかどうかは不明だ。反攻作戦や防衛作戦の中で、前年以上の犠牲を払っていた可能性もあるのだ。

匿名の当局者

2023年8月、『ニューヨーク・タイムズ』紙は匿名の当局者による情報に基づき、ウクライナ軍の戦死者数はおよそ7万人に上ると報じた。これでもゼレンスキー大統領の発表を遥かに上回る数字だが、同紙いわくロシア軍による推計12万人と比べればかなり控えめな見積もりとなっている。

 

 

 

ロシア軍の損害は?

ロシア独立系メディア「メドゥーザ」によれば、ゼレンスキー大統領はロシア側の損害についても言及。戦死者18万人、負傷者も含めると合計50万人を超えるという独自の見積もりを明かした。

 

反転攻勢の計画が漏れていた?

しかし、ゼレンスキー大統領が記者会見で明らかにしたのは、ウクライナ軍の戦死者数だけではなかった。2023年にウクライナ軍が試みた反攻作戦では、その計画がロシア側に漏れていたと述べたのだ。

今年も反転攻勢を実施する予定

ニュースサイト「ビジネスインサイダー」はゼレンスキー大統領の発言として、ウクライナ軍は今年もさらなる反転攻勢を実施する予定だと伝えている。それによれば、同大統領は「私たちには予定があります。明確な予定です。しかし、情報漏洩に備えて、複数の計画が立てられることになるでしょう」と述べたという。

西側諸国による支援が頼り

ゼレンスキー大統領はまた、ウクライナがロシアに打ち勝つためには同盟国による支援が不可欠だと強調。いわく:「ウクライナが負けるかどうかは私たちのパートナー、つまり西側諸国にかかっています。武器さえ手に入ればウクライナが負けることはありません。私たちが勝つことになるでしょう」

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