開戦当時から大きな進歩をみせるウクライナ軍の防空システム

ロシア軍によるドローン攻撃の失敗
ドローン全機を撃墜
キーウ市軍事行政トップのコメント
キーウ州知事のコメント
ウクライナ空軍の声明
7月2日のキーウ攻撃
ウクライナの防空システムの進歩
5月のドローン撃墜
ミサイルも巧みに迎撃
進歩の理由は?
戦争開始時からの変化
兵器供与と兵士の習熟
ドイツ製ゲパルト自走対空砲
自動でターゲットを感知、捕捉
ターゲットが複数のとき力を発揮
ウクライナの防空システムは強力
ロシア軍によるドローン攻撃の失敗

ロシアは7月初め、ウクライナの首都キーウを目標にする大規模なドローン攻撃を行った。だが襲撃は失敗に終わる。ウクライナ防空部隊がすべてのドローンを破壊したのである。印象に残るこのニュースは、キーウ当局が発表した。

ドローン全機を撃墜

キーウ市の軍事行政当局トップ、セルヒー・ポプコがテレグラムを通じて発表したところでは、キーウに向けて飛び立ったイラン製のドローン「シャヘド」はすべて、ウクライナ防空部隊によって撃ち落とされたという。

キーウ市軍事行政トップのコメント

『キーウ・インディペンデント』によると、セルヒー・ポプコは次のように投稿した:「市当局の防空部隊・防空システムはキーウ周辺の空域において、すべての敵攻撃目標を感知し、撃破した」

キーウ州知事のコメント

キーウ州知事のルスラン・クラフチェンコの発表によると、破壊されたドローンから落下した破片にあたり、一人が負傷したという。AP通信が伝えた。

ウクライナ空軍の声明

キーウの攻撃にあたったドローンの数について、キーウ当局は公式発表を見送ったが、ウクライナ空軍はのちに声明を出し、8機の「シャヘド」ドローンと3発のクラブミサイルがウクライナ首都を襲ったとした。

7月2日のキーウ攻撃

ロシア軍によるこの攻撃は7月2日に決行されたが、それに対して発揮されたキーウの防空システムの有能さは、ウクライナの防空能力の全体的な高まりを示す好例と言える。

ウクライナの防空システムの進歩

ウクライナの防空システムはここ数ヶ月、ロシア軍による空からの攻撃に対して優れた対応を見せている。5月の統計データを見れば、その変化は明らかだ。

5月のドローン撃墜

5月24日、ロシア軍はシャヘド136、シャヘド131の合わせて36機のドローンを使い、空襲を仕掛けた。しかし、防空部隊の優秀なコンビネーションによって、36機すべてが破壊されたのだった。

ミサイルも巧みに迎撃

ロイター通信によると、ウクライナは5月18日に30発中29発のミサイルを撃ち落としており、さらにその数日前にも6発の極超音速ミサイル「キンジャール」の迎撃に成功している。

進歩の理由は?

ウクライナ軍が防空において、なぜこのような驚くべき成果を上げているのか、理由はさまざまに挙げられるが、その少なくない部分が兵士たちの習熟と、西側諸国が供与する最新式の武器のおかげである。

戦争開始時からの変化

「戦争開始から間もない頃、ロシア軍の多くのミサイルや航空機がウクライナ軍の防空システムをかいくぐり、ウクライナ空軍に大損失を負わせていた。その頃から比べると非常に大きな進歩である」と、AP通信は書いている(記者はDavid RisingとHanna Arhirova)。

兵器供与と兵士の習熟

同記事は、西側諸国から防空兵器が追加供与されたことと、兵士たちの経験が蓄積されたことにより、ウクライナ軍は人員や基地の防衛において、大きな進歩を遂げることができたのだと論じている。ウクライナ軍はロシア軍の空の優位を切り崩しつつあるのだ。

ドイツ製ゲパルト自走対空砲

たとえば、CNNによると、ドイツ製のゲパルト自走対空砲は、ウクライナの防空部隊にとって逆転の切り札になっている。

自動でターゲットを感知、捕捉

「この対空砲はコンピュータ・システムを搭載しており、ターゲットを自動で感知、捕捉してくれます。これによって、素早い撃墜が可能となります」と、あるウクライナ防空兵はCNNに説明している。

ターゲットが複数のとき力を発揮

「ターゲットが単独ではなく、三つ、四つのケースもあります。それをひとつずつ撃墜していかなければなりません。したがって、自動でターゲットを捕捉するコンピュータ・システムはオペレーターの作業をずっと楽にしてくれるのです」と、防空兵は続けた。

ウクライナの防空システムは強力

ウクライナの防空システムは100パーセント完璧というわけではないにせよ、戦争開始時と比べると大きな進歩を遂げている。直近の撃墜率は次のことを示している。すなわち、ウクライナの兵士は性能の高い兵器を手にしさえすれば、自国をしっかり守ることができるのだ。

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