天才物理学者スティーヴン・ホーキング博士が生前に残した予測:「世界の終わり」はいつ?
世界的に有名な理論物理学者スティーヴン・ホーキング博士は、自分の人生が終わりに近づいていたある日、人類の未来について憂慮すべき予測を行った。
人類が現在のペースで活動を続ければ、600年以内に地球は滅んでしまうだろうと博士はコメントしたのだ。
地球上の人口が急増を続け、それに伴いエネルギー消費が増加の一途をたどれば、やがて地球は「燃え上がる火の玉」になるだろうと、ホーキング博士は警鐘を鳴らした。
2017年に北京で開催されたコンベンション、「2017 Tencent WE Summit」にビデオ出演したホーキング博士は、人類は「みずからの貪欲さと愚かさによって」自滅しかねないという認識を明らかにした。
暗澹とするこの発言をおこなった翌年、ホーキング博士はこの世を去っている。生前最後ともいえるこのコメントを通じ、博士は電気自動車の普及や地球以外の惑星探査の重要性にも言及している。
ホーキング博士は、地球以外にも人類が住めるような条件をそなえた惑星があるに違いないと考えていた。
そして投資家たちに対し、太陽系外では地球に比較的近い恒星系を探索するという、自身も参加するプロジェクトへの協力を訴えた。
候補に挙げられた星のひとつは、地球から約4光年の距離にあるケンタウルス座アルファ星だ。科学者たちは、この星には地球と同じような条件の惑星が存在する可能性があると考えている。
さらにホーキング博士は科学実験の危険性、とくに物体に質量をもたらす「ヒッグス粒子」の研究に伴うリスクについても警告を行っている。
「ヒッグス粒子」の研究を通じてきわめて高いエネルギーレベルで科学実験を行えば、最終的に宇宙が崩壊する可能性があると指摘。
人類の未来を憂えていたホーキング博士は生前に「ブレークスルー・スターショット」というプロジェクトを発表、光の1/5の速度でケンタウルス座アルファ星に小型探査機を送る計画をたてていた。
ホーキング博士によれば、最新技術により火星には1時間以内に、冥王星には数日で、そしてケンタウルス座アルファ星には20年余りで到達できる可能性があるという。
先を見通した計画と博士が鳴らした警鐘は、宇宙レベルで人類が抱えている問題そして対処の可能性に関するホーキング博士の造詣の深さをあらわしている。
複雑な科学概念を広く一般の人々が理解できる形で伝える能力で知られていたホーキング博士、その科学と教育への熱心な取り組み、そして揺るぎない信念は世界中の人々に大きな感銘を与えた。
ホーキング博士は科学分野におけるさまざまな研究成果やインスピレーションを次の世代に残し、2018年3月14日に永遠の眠りについた。
この世を去る前年に行った発言から、ホーキング博士は人類が生き延びるためには新たな移住先を探す必要があると考えていたことがあらためて浮き彫りになった。