スペイン東部の集中豪雨で200人以上が犠牲に:積み重なる車両やがれきの撤去がすすめられる
10月29日にスペイン東部に激しい集中豪雨が発生した。とくに地中海沿岸のバレンシア州、カスティーリャ・ラ・マンチャ州、アンダルシア州で大規模な水害が発生し、深刻な被害が出た。
集中豪雨から10日間近く経過したものの、現地ではいまだ泥だらけの通りで車両やがれきの撤去が進められている。ただし、電気は9割以上復旧し、水道も利用可能になっているという。
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この災害による死者数は確認されているだけで200人を突破。被害状況が明らかになるにつれて、さらに増えるものと見られている。
被災地では、家族や友人と連絡が取れなくなった被災者たちが不安な時を過ごしていた。
また、豪雨によって浸水の被害を受けた建物も少なくない。穏やかな日常生活や思い出のつまった我が家が一瞬にして奪われてしまったのだ。
一方で、被災地には軍の救助隊や消防隊、警察、ボランティアが数多く駆け付け、取り残された人々の救助や、がれきや泥の撤去に当たっている。
しかし、被災した街や集落に至る経路が寸断されてしまっているケースもあり、救助・復旧活動は難航している。さらに、真夜中に洪水が発生したことも、被害の拡大に拍車をかけることとなった。
犠牲者200人あまりという痛ましい被害の一方で、懸命な救助活動のおかげで九死に一生を得た人々も少なくない。
バレンシア州の街、チバでは8時間の降水量が400ミリメートルを越えたというが、これはマドリードの年間降水量に匹敵する量だ。
ともあれ、被災地の住民や現地に駆け付けた人々は手を取り合って、何とかもとの日常生活を取り戻すために、がれきや泥を撤去する作業に当たっている。
地方自治体やスペイン政府は被害規模を見積もり、復興支援の計画をたてつつある。とはいえ、現時点では被害の全容が掴めていない状況だ。
バレンシア市の通りには、洪水に巻き込まれて流された無数の自動車が積み重なっている。まるでスクラップ場のような、衝撃的な光景だ。
被災地では橋が流されたり、路上に土砂が積みあがったりしており、いたるところで道路が寸断されてしまっている。
200人もの犠牲者を出した今回の水害は数十年ぶりの大災害であり、大きな悲劇として語り継がれることになるだろう。
一帯の河川は増水し続け、ついには堤防を越えて近隣の街や集落をのみ込んでいった。
被災地にはすでに避難所が設置されている。避難を余儀なくされた人々はここで寝泊まりしながら、帰宅のときを心待ちにしている。
穏やかな日常生活を一瞬にして失ってしまった被災者たち。しかし、この危難を乗り越えるため、自治体や救助隊の支援を受けつつ、復興への道を歩み始めている。