トランプ前大統領がゼレンスキー大統領と会談:しかし、ウクライナ支援に消極的な姿勢は崩さず

ゼレンスキー大統領による訪米
次期米大統領の支持を得たいゼレンスキー大統領
トランプ前大統領との会談は実現したが……
 支離滅裂なコメント
選挙戦は「共和党がリード」?
「戦闘を終わらせる必要がある」
ウクライナは「地獄」を経験した
ゼレンスキー大統領との良好な関係をアピール
プーチン大統領との関係も良好
自分が当選すれば、ウクライナ問題は「たちどころに解決する」
ゼレンスキー大統領の反応
「タンゴは2人で踊るもの」
「時は来た」
ゼレンスキー大統領との軋轢
トランプ氏をウクライナに招待したゼレンスキー大統領
ゼレンスキー大統領を「セールスマン」呼ばわり
会談後のコメント
「立場は変わっていない」とするトランプ前大統領
ゼレンスキー大統領が会談後に発したコメント
「自分が当選しなければ第3次世界大戦に発展」
ゼレンスキー大統領による訪米

今年9月、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアに対する「勝利計画」を携えて訪米し、バイデン大統領をはじめとする同国の大物政治家たちと会談した。

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次期米大統領の支持を得たいゼレンスキー大統領

ゼレンスキー大統領はウクライナの「勝利計画」について次期米大統領からも支持を得るべく、ハリス副大統領およびトランプ前大統領との会談を望んでいた。

トランプ前大統領との会談は実現したが……

この希望は叶って、ゼレンスキー大統領は9月27日にトランプ前大統領と4年ぶりの会談を行うこととなった。ところが、トランプ氏は会談が始まる直前に、またしても「トランプ節」を炸裂させたようだ。

支離滅裂なコメント

トランプ前大統領はゼレンスキー大統領との会談に先立って記者からの質問を受けたが、その際にロシアによるウクライナ侵攻を和平へと導く見通しについて、支離滅裂なコメントを行ったのだ。

選挙戦は「共和党がリード」?

トランプ氏いわく:「選挙戦の傍ら、(ゼレンスキー大統領との)会談が予定されています。(投票まで)残り37日だと思いますが、世論調査によれば共和党がリードしているようです。どうなるか見てみましょう」

 

「戦闘を終わらせる必要がある」

そして、ロシアによるウクライナ侵攻についてこう言葉を続けた:「うまく行けばよいのですが。いずれにせよ、われわれは(ウクライナ、ロシア)両国と緊密に連携して、解決へと導くことになるでしょう」さらに、遅かれ早かれ、戦闘を終わらせる必要があるとの見解を示した。

 

ウクライナは「地獄」を経験した

また、ニュースサイト「Mediaite」によれば、トランプ前大統領は記者団に対し、ゼレンスキー大統領率いるウクライナは多くの国々が経験したことのないような「地獄」を味わっていると述べたという。

 

ゼレンスキー大統領との良好な関係をアピール

トランプ前大統領はさらに、ゼレンスキー大統領を「鋼の塊」と呼び、同氏と良好な関係にあることをアピール。

 

 

 

プーチン大統領との関係も良好

そして、米国によるウクライナ支援を停止しようとして民主党から非難を浴びたことについても、ゼレンスキー大統領は理解を示したと主張。その一方で、プーチン大統領とも「素晴らしい関係」にあると述べた。

自分が当選すれば、ウクライナ問題は「たちどころに解決する」

トランプ氏いわく:「(ゼレンスキー大統領とは)とても良好な関係にあります。そして、皆さんご存知のとおり、私はプーチン大統領とも非常に良好な関係にあるわけです。だから、私が当選すれば、この問題はたちどころに解決するでしょう。本当に解決できると思いますよ」

ゼレンスキー大統領の反応

この発言を聞いたゼレンスキー大統領はしばし沈黙していたが、発言を終えたトランプ氏に向かって「ウクライナの方とより良い関係を築いていただきたいものです」とクギを刺した。

「タンゴは2人で踊るもの」

ところが、トランプ前大統領はニッコリ微笑むと「なるほど。しかし、タンゴは2人で踊るものですからね。今日は良い会談になるんじゃないでしょうか」と返答し、ゼレンスキー大統領を困惑させることとなった。

「時は来た」

ゼレンスキー大統領と膝をつきあわせて戦争の行方について議論するつもりだと述べ、記者会見を終えたトランプ氏。いわく:「私が当選すれば(中略)、両国にとって良い打開策が見つかるはずです。時は来ました」

ゼレンスキー大統領との軋轢

トランプ氏は以前、自分が大統領に返り咲けば、24時間以内に紛争を終わらせることができると述べたことがある。しかも、この発言を繰り返したことで、ゼレンスキー大統領との間には軋轢が生じていた。

 

トランプ氏をウクライナに招待したゼレンスキー大統領

一方、NBC放送によれば、ゼレンスキー大統領は昨年11月に行われたインタビュー番組の中で、トランプ大統領に24時間で戦争を終わらせることはできないと理解してもらうため、同氏をウクライナに招待するつもりだとコメントしたという。

ゼレンスキー大統領を「セールスマン」呼ばわり

また、ニュースメディア「ポリティコ」によれば、今回の会談はトランプ氏がゼレンスキー氏を「地球上でもっとも偉大なセールスマン」呼ばわりした直後に行われたものであり、動向が注目を集めたとのこと。

会談後のコメント

『キーウ・インディペンデント』紙いわく、今回の会談は非公開だったが、ゼレンスキー大統領はトランプ前大統領にウクライナの「勝利計画」を提示したものと見られている。トランプ氏は会談後、ゼレンスキー大統領との議論を通して「多くのことを学んだ」が、戦争を「できる限り早期に終わらせる」という方針には変わりがないとしたそうだ。

「立場は変わっていない」とするトランプ前大統領

トランプ前大統領いわく:「私の立場は変わっていないと思います。ゼレンスキー氏も私もこの戦争が終わりを迎え、公正な合意が成立することを望んでいるのです。公正でなくてはなりません。いずれにせよ、しかるべき時期にそうなることでしょう」

ゼレンスキー大統領が会談後に発したコメント

一方、ゼレンスキー大統領も会談後に「トランプ氏はこの戦争をなるべく早く終わらせたいと考えています。公正な仲介がなされることを求めています」というコメントを出したが、「プーチン大統領はわが国の領土を侵略しています。それが問題です。あの男はウクライナ領にいるのです。どうやって戦争を終わらせるのか、プーチン大統領に圧力をかけるのか、それを考えなくてはなりません」と述べて、トランプ前大統領を牽制した。

「自分が当選しなければ第3次世界大戦に発展」

トランプ氏はその後、自身の運営するSNS「Truth Social」上に投稿を行い、ゼレンスキー大統領と「素晴らしい会談」を持ったと報告。「私が大統領に選ばれれば、ロシアとウクライナとの戦争はすぐに終わるでしょう。そうでなければ、戦争は延々と続き、第3次世界大戦に発展することになります」と主張した。

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