チリ沖の海底で100種あまりの深海生物を発見

100あまりの新種
発見されたものをすべて記録
チリ沖に広がる海山
海洋保護区でも調査
解説動画を公開
海底地形図を作成
水中ロボットを投入
豊かな生態系
予想を上回る多種多様な生物
保護活動の成果
フサアンコウの仲間
渦巻くサンゴ
多種多様な海綿
未知の海山を4つ発見
「ソリト」海山
新種の認定には時間がかかる
100あまりの新種

チリ沖の海底で行われた調査により、新種と見られる深海生物が100種あまり発見された。さらに、既知の種も含めると、非常に多様ないきものたちが暮らしていると判明。

発見されたものをすべて記録

今回の調査では、対象となった海底山脈で発見されたものをすべて写真に記録し、チリにおける海洋保護の推進に役立てる取り組みが行われた。

写真:Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

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チリ沖に広がる海山

プレスリリースによれば、一帯の海底にはチリ沿岸からイースター島にかけてサラス・イ・ゴメス海嶺とナスカ海嶺が広がっており、研究チームはこれらの海嶺沿いにある複数の海山を調査したという。

写真:Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

海洋保護区でも調査

研究チームはまた、フアン・フェルナンデス海洋公園とナスカ・デスベントゥラダス海洋公園という、2つの海洋保護区でも調査を実施。

写真:ROV SuBastian / Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

解説動画を公開

そして、カトリカ・デル・ノルテ大学やシュミット海洋研究所、イースター島の研究者および学生たちが研究に取り組む様子を映した解説動画も公開された。

写真:Alex Ingle / Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

海底地形図を作成

シュミット海洋研究所によれば、研究チームは全長2,900キロメートルにおよぶ海嶺の周囲8万3,000平方キロメートルにわたって海底を調査。これに基づいて海底地形図を作成したが、この海域には200を超える海山があるという。

写真: Alex Ingle / Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

水中ロボットを投入

また、深海生物の調査にあたっては4,500メートルの深さまで潜水できる水中ロボットを投入し、10の海山付近でその生態系に迫ったという。

写真:Alex Ingle / Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

豊かな生態系

その結果、深海サンゴ礁や海綿の群生地を含む、豊かな生態系が発見されたのだ。

写真:ROV SuBastian / Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

 

予想を上回る多種多様な生物

研究チームを率いるカトリカ・デル・ノルテ大学のハビエル・セリャネス教授は、予想を上回る多種多様な生物が発見されたと驚きを露わにしている。

写真:Alex Ingle / Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

保護活動の成果

プレスリリースの中で同教授は「このような健全で豊かな生態系は、ナスカ・デスベントゥラダス海洋公園およびフアン・フェルナンデス海洋公園のおかげで、繊細な海底環境がしっかりと保護されていることを示すものです」と説明。

写真:Alex Ingle / Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

フサアンコウの仲間

今回の調査で発見された生物たちの中でもとりわけ目を惹くのは、真っ赤なフサアンコウ科の一種だろう。ご覧の通りおどけた姿をしていることから、世界中で話題となった。

写真:Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

渦巻くサンゴ

また、海洋保護区内では写真のようならせん状のサンゴをはじめ、さまざまなサンゴが見つかっている。

写真:ROV SuBastian / Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

多種多様な海綿

しかし、セリャネス教授をとりわけ驚かせたのは、一帯で暮らす海綿の多様性だ。同教授いわく、「びっくり仰天です」とのこと。

写真:ROV SuBastian / Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

未知の海山を4つ発見

さらに、研究チームは調査海域内でこれまで知られていなかった海山を4つ発見。

写真:ROV SuBastian / Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

「ソリト」海山

研究チームによって「ソリト」と名付けられた海山は高さが3,530メートルもあり、調査によって発見された4つの海山の中でもっとも高いという。もちろん、この海山の地形図が作成されたのも今回が初めてだ。

写真:ROV SuBastian / Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

新種の認定には時間がかかる

セリャネス教授いわく、種の特定や新種の認定には時間がかかるとのこと。しかし、この作業が進めば、日本と英国の財団が主導する海洋生物探査プロジェクト「The Nippon Foundation-Nekton Ocean Census」が掲げる「10年間で10万種発見」という目標に大きく貢献するだろうとのこと。

写真:Alex Ingle / Schmidt Ocean Institute / CC BY-NC-SA

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