反体制派弾圧プランを実施するベネズエラ:刑務所を増設、デモ参加者を「再教育」して強制労働へ......
ベネズエラでは7月28日に大統領選挙が行われ、同国の選挙管理委員会は現職のマドゥロ大統領が再選されたと発表した。しかし集計に不正があったとして野党が批判、多くの人も選挙結果に異議を唱えている。
選挙から約1か月を経た8月22日、ベネズエラ最高裁が現職マドゥロ大統領が当選したことを認める判断を下した。
しかし、それまでに選挙管理委員会の発表への反発が続き、マドゥロ大統領も反対派への圧力を強めて国際社会の批判を浴びている。
スペインのlaSexta放送によれば、ベネズエラでは大統領選挙で不正が行われたとして大規模なデモが発生、ベネズエラ当局は1週間のうちに2,000人あまりを逮捕したと発表。
7月28日の大統領選挙後、同国の選挙管理委員会は現職のマドゥロ大統領が再選されたと発表した。しかし、選挙管理委員会はハッキングの疑いがあるとして、選挙結果の詳細公表を拒んでいる。
これに対し、マリア・コリナ・マチャド氏が率いる野党は投票立会人が作成した投票記録の半分あまりを入手し、選挙管理委員会が公表したデータは捏造されたものだと主張。
この疑惑を受けて、ベネズエラ国内では大規模なデモが各地で繰り広げられることとなった。しかし、マドゥロ政権はこれを黙って見過ごすつもりはないようだ。ベネズエラ紙『El Universal』によれば、マドゥロ大統領はデモ参加者を収容するため、セキュリティレベルの高い刑務所を新たに2ヵ所建設すると述べたという。
同紙いわく、マドゥロ大統領は「全員とっ捕まえる。連中は米国やコロンビア、ペルー、チリで訓練された回し者で、攻撃命令を待っていたんだ」と怒り心頭だそうだ。
マドゥロ大統領はさらに、ベネズエラ全土で警察署が300ヵ所以上襲われたとして、デモ参加者を非難している。
スペインのカデナSER放送が伝えたところによれば、マドゥロ大統領は「情状酌量も赦免も不要」とコメントしたほか、新たな刑務所はデモ参加者らの「再教育」に役立つと考えているらしい。
マドゥロ大統領いわく:「新たな刑務所もあの頃のように生産的なブタ小屋になるといいのだが…… かつて、受刑者たちは道路建設に駆り出されたものだ。作らなくてはならない道はたくさんあるのだから、あの連中を道路建設に使ってやろうじゃないか」
マドゥロ大統領の言う「あの頃」とは20世紀前半のことであり、当時のベネズエラでは反体制派(とりわけ学生)に科した強制労働によって、道路建設をはじめとする公共事業を行っていたのだ。