「もしトラ」が実現したら何が起こる?:米国を始め世界にもたらされる憂慮すべき事態とは
明日に迫った米大統領選で、もしもトランプ元大統領が再選したらいったいどんなことが起こるのだろうか。トランプ氏は再選後の展望についてしばしば口にしているが、そこからうかがえるのは私恨に満ちたかなり破壊的な将来像だ。元大統領の発言をチェックしてみよう。
トランプ元大統領が再選した場合、かつて政治的に対立していた人々はおびえながら暮らすはめになるかもしれない。というのも、元大統領はすでに何度か、自分が再選した場合司法省を動かして、かつて自分を追い落とした人々を追及すると公言しているのだ。
米放送局「Univision」のエンリケ・アセベド記者と話していた際、トランプ氏は司法省が政治的に利用されていたという認識を示している。アセベド記者から再選した場合同じことを実行するかと聞かれた元大統領は実行すると答えている。
トランプ元大統領が再選したら、気候変動の問題も無視して化石燃料に投資することになるだろう。共和党候補指名を得るためのキャンペーン中になんどもそのことを公言している。
今年1月、ラスベガスでのキャンペーン中にトランプ元大統領はこう語っていたという:「忘れてはいけない。ガソリン、燃料、油、天然ガス、こういったものの値段が信じられないくらいに上がってしまったことこそがインフレの原因だ。我々はこれを是正する。どうやって? 掘るんだ。掘って掘って掘りまくる」『ワシントン・ポスト』紙が報じている。
トランプ元大統領が再選した場合、移民にとっては暮らしづらくなってしまうだろう。元大統領は労働許可を得ていない移民労働者を全員検挙・拘束・送還することを計画しているからだ。『ニューヨーク・タイムズ』紙が昨年11月に報じている。
こういった政策はトランプ元大統領在任時の国境政策を思い起こさせるものだ。トランプ氏は当時、一部のイスラム教国からのアメリカへの渡航を制限したこともあり、そのような措置をふたたび実行することもほのめかしている。
たとえば、3月4日、米保守報道サイト「Newsmax」のクリス・サルセドから、大統領の座に就いた場合大量送還を実施するのかと聞かれてこう答えている:「最初の日にやる。他に選択肢はない。悪党どもから送り返す」
また、連邦法執行機関や在外米軍から数千人規模の人員をメキシコ国境に再配備するとも語ったことがある。昨年9月にアイオワ州で支持者らの集会で述べていたとロイター通信が報じている。
トランプ元大統領はこう述べたという:「大統領に就任したらただちに、バイデン政権が採っていた国境開放政策をすべて中止する。あらゆるリソースを最大限活用して侵略を止めねばならない。そのためにはいま海外に駐留している数千人の人員を割くことも辞さない」
トランプ元大統領はこう語っている:「向こうが始めたことだ。それをあくまでも続けるというのであれば、逆のことが起きてもおかしくない。先に始めたのは向こうだ」この発言は各メディアで大きく報道された。
さらに、トランプ元大統領は、暴行や家庭内での虐待の結果などの場合を除いて妊娠16週以降の中絶を禁止する立場を非公式に支持しているのだという。ふたりの関係者が『ニューヨーク・タイムズ』紙の取材に応えて述べた。
トランプ元大統領はアメリカで活動する外資系企業にあらたに関税を課すことも検討しているという。「Fox Buisiness」のラリー・カドローに語っている。
トランプ元大統領はカドローにこう話していた:「外国企業がアメリカに商品を持ち込むなら、たとえば……10%の関税を払うべきだ。そうだ、一律10%がいい」
アメリカの教育システムも大幅な変更を被ることになりそうだ。トランプ元大統領は9月の選挙公報動画でこう語っていた:「政府から教育について押し付けられるシステムを終わらせる。すべて州の権限に任せるようにする」
2021年1月6日に議会を襲撃した人々も恩赦を得ることになるかもしれない。5月、ニューハンプシャーでの講演会でトランプ大統領は「(襲撃犯の)多くに恩赦を与えたい気持ちがある」と語っていたからだ。「CBS News」が伝えている。