トランプ大統領がプーチン大統領と電話会談:その内容とは?
『ニューヨーク・タイムズ』紙はトランプ米大統領がロシアのプーチン大統領と「長時間にわたり、非常に有意義な電話会談」を行ったと報じた。
その数日前には、『ニューヨーク・ポスト』紙がトランプ大統領に独占インタビューを行い、ロシアによるウクライナ侵攻の終結をめぐってプーチン大統領と議論したことを伝えていたが、『ニューヨーク・タイムズ』紙の報道はこれを裏付けるものとなった。
トランプ大統領は自身が設立したSNS「トゥルース・ソーシャル」上で「ウクライナ情勢や中東情勢、エネルギー問題、人工知能、ドルの覇権など、さまざまなテーマについて議論した」と述べ、米国がロシアと協調路線をとる可能性を示唆した。
『ニューヨーク・ポスト』紙に対し、トランプ大統領はこう語っている:「プーチン大統領は人々が命を落とすのを止めたいと考えている。戦死したのはみな、立派な若者たちだ。あなた方の子供たちと同じだよ。それが、200万人も無為に命を落としてしまったのだ」
トランプ大統領はさらに「トゥルース・ソーシャル」上で、「プーチン大統領はわたしが選挙戦で掲げた『常識』というスローガンを使っている」と綴り、ロシアとの協調路線を見せた。
一方、『キーウ・インディペンデント』紙によれば、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は両首脳の電話会談について、90分あまりにわたったとしたほか、プーチン大統領がトランプ大統領をモスクワに招待したことを明かしたという。
その後、トランプ大統領はウクライナのゼレンスキー大統領とも電話会談を行った。『キーウ・インディペンデント』紙によれば、同大統領は「ドナルド・トランプ大統領と会談したところです。和平の実現をめぐって、長時間にわたる議論となりました」とコメント。
同大統領はさらに、「ウクライナは誰よりも平和を望んでいます。ロシアによる侵略を阻止し、信頼に足る長期的な和平を実現するため、米国と足並みをそろえています」としたそうだ。
一方のトランプ大統領は「ウォロデミル・ゼレンスキー大統領と会談したところだ。議論は非常にうまくいった。ゼレンスキー大統領もプーチン大統領と同様に、平和を望んでいる」とコメントしたという。『キーウ・インディペンデント』紙が伝えた。
さらに、トランプ大統領はSNS上で「大規模かつ、まったく無意味な犠牲と破壊をもたらす、このバカげた戦争を終わらせるときが来た」と述べている。
しかし、ニュースサイト「ポリティコ」によれば、ゼレンスキー大統領は米露がウクライナを差し置いて和平交渉を進めることに警戒感を示しているようだ。実際、同大統領はSNS上で「プーチン大統領は交渉や和平のテーブルに着く気はありません。戦争の継続、しかもウクライナ以外の国まで含めた戦争を準備しているのです」と主張した。
一方、米国のピート・ヘグセス国防長官はブリュッセルのNATO本部で行われた会合の場で、米国はロシアに対して譲歩する用意があることを明らかにした。
「ポリティコ」によれば、ヘグセス国防長官はクリミア半島およびウクライナ東部からロシア軍を排除するのは難しいと指摘:「そのような現実離れした目標を追求しても、戦争を長引かせ、さらなる苦痛を引き起すだけです」
さらに、『ニューヨーク・タイムズ』紙は同国防長官の発言として、米国はウクライナのNATO加盟を支持しないと述べたことを伝えた。欧州は安全保障において、米国に依存し過ぎるべきではないというのだ。
CNN放送によれば、同国防長官の一連の発言は、米国がもはや欧州やウクライナの安全保障を優先せず、自国の国境防衛や中国との戦争回避に重点を置く姿勢を明確にしたものだとされる。
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