ウクライナ上空から捉えられた激戦:林の中から攻撃を仕掛けるロシア兵にウクライナ軍が応戦
最新の通信技術を通じ、ウクライナの戦争のようすは日々世界の人々に届けられている。最近そうした映像を通じ、建物内の陣地を死守しようとするロシア軍兵士たちと、これを排除しようとするウクライナ軍装甲部隊による激しい攻防の様子が明らかになった。
いまや戦場の上空では無数のドローンが飛び交っており、ウクライナで繰り広げられる戦闘の様子は毎日のように世界に発信されている。しかし、今回公開された動画は、戦闘の激しさを物語る映像として稀有なものだった。
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動画に写っていたのは、ウクライナ軍第14強襲警備旅団(チェルヴォナ・カリーナ)に所属する戦車・歩兵戦闘車の部隊がロシア軍の防御陣地に攻撃を仕掛け、爆破する様子だった。
画像:Facebook @ChervonaKalynaBrigade
Facebook上に投稿されたおよそ2分半の映像には、砂利道を走行し、標的の建物に接近してゆくウクライナ軍の車両が映っている。
画像:Facebook @ChervonaKalynaBrigade
あちこちで上がる砲煙と車両が巻き上げる砂埃のせいで、一見すると何が起きているのかよくわからないかもしれない。しかし、この動画には、ロシア軍の位置を示すマークが第14強襲警備旅団によって付されている。
画像:Facebook @ChervonaKalynaBrigade
ロシア軍の兵士たちは映像の左側に映っている半壊した建物内に加え、道をはさんで反対側にある樹木の陰にも隠れていた。
画像:Facebook @ChervonaKalynaBrigade
林の中からロシア兵が発砲し、ウクライナ軍の歩兵戦闘車が応戦、ひとしきり銃撃戦となった。なお、この戦闘で死傷者が出たかどうかは不明だ。
画像:Facebook @ChervonaKalynaBrigade
ウクライナ軍は戦車を用いて道路の左側に陣取った敵に集中砲火を浴びせる一方、ロシア兵が潜んでいる可能性のある右側については歩兵戦闘車で対応した。
画像:Facebook @ChervonaKalynaBrigade
戦闘の様子は立ち上る煙と砂埃で覆い隠されてしまって、よく見えない。しかし、ウクライナ軍の車両が右に急旋回した際、一斉に銃声が上がったのが聞こえる。
画像:Facebook @ChervonaKalynaBrigade
その後、動画はウクライナ軍車両の正面から撮影された映像に切り替わる。このカットでは、家屋らしきものの陰に陣取ったロシア兵たちに向かって、ウクライナ軍戦車が砲弾を撃ち込んでいる。
画像:Facebook @ChervonaKalynaBrigade
ウクライナの軍事ニュースサイト「Militarnyi」によれば、ロシア軍はウクライナ軍に接近する際に廃屋を利用しているらしい。また、軍事アナリストのマーティン・トゥイテロ氏はこの戦闘について、ドネツク州イヴァニウカ村のはずれで起きた可能性が高いとX上でコメントした。
画像:X @TuiteroMartin
トゥイテロ氏はさらに、ウクライナ軍車両の進軍経路を推定し、地図上に図示したが、これは確認がとれていない。
画像:X @TuiteroMartin
「Militarnyi」いわく:「ウクライナ軍の装甲車が村落の道路を走り抜け、ロシア軍の陣地に向けて銃撃する様子が映っている。このようにして、敵が足場を築くのを防いでいるのだ」
画像:Facebook @ChervonaKalynaBrigade
同サイトによれば、第14強襲警備旅団の広報部は同旅団について、激戦が続くポクロウシク周辺で任務に当たっていると発表したそうだ。数ヵ月前から、この一帯ではロシア軍がじりじりと前進し、攻勢を強めている。
画像:Facebook @ChervonaKalynaBrigade
9月4日にウクライナ軍参謀本部が公表した戦況報告によれば、ウクライナ軍は9月3日にポクロウシク周辺でロシア軍から61回におよぶ攻撃を受けたが、これを撃退したそうだ。
「Militarnyi」いわく、ロシア軍は「ゼレネ・ポーレ、ヴォズドヴィジェンカ、ミロリウビウカ、ノヴォトロイツケ、セリドヴェ付近で進軍を試みている」ようだが、「おもにノヴォフロディウカ、フロディウカ、ミハイリウカで攻勢を強めている」とのこと。
画像: X @TuiteroMartin