ビラや動画で北朝鮮兵に投降を促すウクライナ軍
『ニューズウィーク』誌によれば、ウクライナ軍はロシアに加勢して戦う北朝鮮兵を対象とした、新たな「作戦」を打ち出したようだ。
ユーロニュース放送が報じたところによれば、ウクライナ軍は北朝鮮兵に投降を促すため、朝鮮語のビラを投下したり動画を公開したりしているという。
『ニューズウィーク』誌いわく、このビラは投稿する際の方法をイラストと朝鮮語で説明したもので、うつ伏せに横たわり、武器を捨てて白い布やビラを掲げるよう指示するものだという。
この取り組みを主導するのはウクライナの「I Want to Live」プロジェクトだ。ユーロニュース放送によれば、このプロジェクトはプーチン政権の「特別軍事作戦」に加担したくない兵士をターゲットとしたもので、開戦直後に活動を開始したという。
『ニューズウィーク』誌は、「I Want to Live」プロジェクトを通じて投降したロシア兵はおよそ350人に上ると伝えている。
このプロジェクトにボランティアとして参加するヴィタリー・マトヴィエンコ氏は「全員が戦うことを望んでいるわけではありません。私たちは北朝鮮の人々の暮らしぶりをよく知っています。(ウクライナへの投降を)母国の現体制から逃れ、他国へ亡命するチャンスだと考える北朝鮮兵も多いのではないでしょうか」とコメント。
ところで、なぜ北朝鮮兵がロシア軍に加勢してウクライナ軍と戦っているのだろうか? ことの発端は2024年半ばに行われたプーチン大統領の訪朝だ。その中で、露朝は包括的戦略パートナーシップ条約を締結。有事の際には互いに軍事支援するという内容が盛り込まれた。
以来、北朝鮮は弾薬やミサイル、さらには部隊をロシアに提供しているものと見られている。
『ニューズウィーク』誌によれば、米国・韓国・ウクライナの情報機関はロシアに派遣された北朝鮮軍部隊の規模について、最大1万2,000人に上る可能性があると見ているそうだ。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、自国の部隊によって戦死した北朝鮮兵の存在はすでに確認されているとした上で、ロシアは北朝鮮兵たちを「肉壁」として使っていると指摘した。『ニューズウィーク』誌が伝えている。
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