ベールに包まれたプーチン大統領のプライベート:愛人と子供たち
プーチン大統領が慎重な人物であるのは周知の事実だが、その私生活ともなればなおさら謎に包まれている。とりわけ家族については長年ベールに包まれており、2012年には『ニューヨーク・タイムズ』紙がプーチン大統領の家族について語るのは「タブー」だと書き立てるほどだった。ところが、ウクライナ侵攻によって状況は一転する。
ウクライナ侵攻を受けて西側諸国が発動した制裁措置は、プーチン大統領やその取り巻きが保有する資産をターゲットとしていた。しかし、これによって従来謎に包まれていたプーチン大統領の家族構成にも光が当たることに。
2022年には、世界中の新聞社がこぞってプーチン大統領の家族について書き立て、「正式な家族」のほかに「非公式な家族」がいることを暴露した。
プーチン大統領は子供たちの話を滅多にしない。しかし、『デイリー・メール』紙をはじめとするメディアによれば、元妻との間に2人の娘がいることは周知の事実だという。
プーチン大統領は1983年にリュドミラ・プーチナと結婚。以来、30年間にわたって生活を共にしたが、2013年に離婚することとなった。
写真:Kremlin.ru, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons
リュドミラ元夫人との間には長女のマリア・ファッセン(マリア・ウラジミロヴナ・プーチナ)が誕生している。
写真:Kremlin.ru, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons
『デイリー・メイル』紙によると、マリア・ファッセン(マリア・ウラジミロヴナ・プーチナ)の名前は、プーチン大統領の母、マリア・イワーノヴナ・シェロモヴァにちなんで付けられたという。
若き研究者として働くマリア。モスクワ大学で医学を学んだ彼女の専門は内分泌学だという。ニュースサイト「ブルームバーグ」によれば、遺伝子工学に関して大統領にアドバイスしているのは彼女であるとされ、民間レベルでは人間のDNA編集を禁止し、国の研究施設に限定するよう主張しているという。
オランダの実業家、ジョリット・ファッセンと結婚したマリアには子供もおり、プーチン大統領にとっては孫にあたることになる。
マリア夫妻と子供たちはオランダに住んでいたが、反発が強まり同国を去ったという。『ニューヨーク・ポスト』紙によれば、きっかけは2014年にウクライナで発生したマレーシア航空17便撃墜事件。国際的な調査の結果、オランダ人193人を含む298人の乗客を乗せ、アムステルダムからマレーシアに向かっていたこの飛行機を撃墜したミサイルはマリアの父、プーチン大統領が提供したものだったとされたためだ。
カテリーナ・ティホノワを名乗る彼女だが、出生時の名前はエカテリーナ・ウラジミロヴナ・プーチナ。『デイリー・メイル』紙の報道では、名字を母方の祖母と同じシュクレブネヴァに変更したという。
プーチン大統領の次女とされるカテリーナは1986年生まれ。『デイリー・メイル』紙によれば、姉のマリアと同じ学校に通っていたが、別の道に進んだという。現在30代になった彼女は、モスクワ大学の複雑系数理研究所で所長をしているのだ。
しかし、なんとロックンロール・ダンサーとして成功し、有名になったという。
『デイリー・メイル』紙の報道によれば、カテリーナは世界ロックンロール連盟で普及・マーケティング部門の副部長を務めているらしい。この組織はロックンロール・ダンスの普及・発展に努めている。
プーチン大統領の三女だと目されているのが、現在18歳のルイザ・ロゾワ(別名エリザベタ・クリヴォノギフ)だ。しかし、プーチン大統領本人が正式に認めたことはない。
(写真:Instagram @Luizaroz_)
ルイザの母親、スヴェトラーナ・クリヴォノギフも娘の父がプーチン大統領だと主張したことは一度もない。しかし、『デイリー・メール』によれば、それまで家政婦だったスヴェトラーナは、あっという間にロシア屈指の億万長者になったというのだ。
(写真:1970年:若い頃のプーチン大統領)
ルイザはおもに「秘密の」父親の存在と大金持ちだという噂のおかげで、インスタグラムに8万4,000人のフォロワーを抱えていた。しかし、『メトロ』紙によると、ウクライナ侵攻の勃発で激しいネット攻撃に晒されるようになり、アカウント閉鎖を余儀なくされたという。
(写真:Instagram @Luizaroz_)
ルイザは主にセレブな旅行と自分のファッション・ブランドに関する投稿をしていた。『メトロ』紙によれば、プーチン大統領の故郷サンクトペテルブルクで学生をしていたが、ロシアによるウクライナ侵攻に対する世界的反発が強まったことからSNSと距離を置くようになったようだ。
(写真:Instagram @Luizaroz_)
「父親の狂気は彼女の手に負えるものではない」と、インスタグラムでルイザを擁護する人がいる一方、個人的な批判を繰り広げる人もいる:「パパの悪口を言ったが最後、お金もアパートも没収されて贅沢できなくなるから黙っているんだ」というわけだ。
コメントおよび写真はルイザのインスタグラムより引用:Instagram @Luizaroz_
『デイリー・メール』紙は、プーチン大統領の子供たちはここで触れた娘3人だけではないとしている。ルイザ・ロゾワは大統領の末っ子ではないのかもしれないのだ。
『デイリー・メール』紙が伝えたところによると、プーチン大統領は「ロシアで一番身体の柔らかい女性」として知られる元新体操選手、アリーナ・カバエワとの関係が以前から囁かれている。
カバエワはプーチン大統領と一緒にいるところを何度も写真に撮られており、かなり以前から噂になっていた。そして『デイリー・メール』紙によれば、カバエワは自分が「深く愛している」謎の男について触れたことがあるというのだ。
2015年、カバエワが妊娠していることは誰の目にも明らかだった。当時、巷ではお腹の子供の父親はプーチン大統領ではないかという憶測が流れることに。そして、2019年にはカバエワにもう1人子供が誕生している。
新体操選手として有名なカバエワだが、ここ数年間、姿を隠していると報道した『メトロ紙』。それによると「スイスにある贅沢な邸宅に住んでいる」らしい。
ところが、ロシア独立系調査メディア「プロエクト」によれば、カバエワはロシア国内にいまだ留まっており、モスクワ北方の街ヴァルダイにある豪華邸宅でプーチン大統領や子供たちと一緒に暮らしているという。
いずれにせよ、プーチン大統領の家族をめぐる謎が完全に晴れることはないだろう。『ワシントン・ポスト』紙は2015年の記事で、プーチン大統領が自分の娘たちについて「ビジネスや政治には関与していない」と述べたことを伝えているが、本人いわく「家族の話はこれ以上するつもりはない」というのだから仕方あるまい。