プーチン大統領、支配した地域に新たな鉄道路線を敷設

実効支配を進めるロシア
支配エリアに鉄道網を建設
鉄道路線「タヴリダ-2」
ウクライナにおけるロシア軍の存在感が増大
今年中に完成する区間
クリミア大橋を経由する路線も運行中
クリミア大橋を攻撃するウクライナ軍
軍事物資の輸送
被占領地域からの輸出
懸念を示すウクライナ当局
以前から建設が進んでいた路線
プーチン大統領のコメント
実効支配を進めるロシア

2022年4月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始してから2年半近くが経過した。プーチン政権はウクライナとの国境地帯で新しい鉄道路線の建設を進め、その影響を確実なものにしようとしている。

支配エリアに鉄道網を建設

複数の情報筋によれば、ロシアが建設する新しい鉄道路線は完成に近づいており、同国の輸送能力が大幅にアップする可能性があるという。これにより、ロシアによるウクライナ侵攻が転換点を迎える可能性も指摘された。

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鉄道路線「タヴリダ-2」

西紙『El País』が伝えたところによれば、この路線はロシア南西部の街、ロストフ・ナ・ドヌとクリミア半島を結ぶ500キロメートルに及ぶもので、「タヴリダ-2」と呼ばれているそうだ。

 

ウクライナにおけるロシア軍の存在感が増大

アゾフ海沿岸部に敷設されたこの路線により、ロシア軍は支配地域での存在感を高めることになるとみられている。

今年中に完成する区間

ウクライナ海軍のドミトロ・プレテンチュク報道官は、ロシアが今年中に「少なくともロストフ・ナ・ドヌから(クリミア半島の)ジャンコイ地峡まで」の区間を完成させるだろうという見方を示したという。スペインの『El País』紙が伝えている。

クリミア大橋を経由する路線も運行中

しかし、これはロシア領と被占領地域を結ぶ唯一の鉄道路線ではない。すでに、クリミア大橋を経由する路線が運行しているのだ。

クリミア大橋を攻撃するウクライナ軍

そこで、ウクライナ軍は複数回にわたってクリミア大橋を攻撃してダメージを加え、ロシア軍のスムーズな兵站輸送を阻んできた。しかし、新たな路線が開通すれば、ロシア軍はこの問題を回避できるようになるかもしれないのだ。

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軍事物資の輸送

そもそも、この路線の建設が計画されたのは、ロシア軍が軍事物資の輸送量を増やす必要に迫られていたからだ。

被占領地域からの輸出

さらに、『テレグラフ』紙が伝えたところによれば、ロシア当局に任命されたザポリージャ州のエフゲニー・バリツキー知事はこの新たな路線について、穀物や鉄鉱石、石炭といった商品の輸出に活用できると述べたそうだ。

懸念を示すウクライナ当局

一方、ウクライナ海軍のプレテンチュク報道官は、ロシア側が完成を急ぐこの鉄道路線に対して懸念を示している。実際、ウクライナ当局はこの路線の運行を妨げる方法を模索しているようだ。

以前から建設が進んでいた路線

とはいえ、ウクライナにとってロシア側のこの行動は目新しいものではない。実際、ウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノフ局長は昨年3月に、ロシアがこの路線を完成させつつあると述べていた。

プーチン大統領のコメント

一方、プーチン大統領も今年3月に行われた演説の中でこの鉄道路線に言及。この路線が完成すれば、「わが国をますます強化してくれるだろう」とコメントしていた。

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