ロシアが西側諸国に対して仕掛けるハイブリッド戦争の全貌とは?オンライン広告で選挙介入:

IT時代の新たな戦場
西側諸国の弱体化を図るロシア
世界から米国の影響力を排除
「攻撃的な情報キャンペーン」
様々な分野を巻き込んだ戦い
「敵国の弱点を見つける仕組みが肝心」
ロシアが仕掛けるハイブリッド戦争
目新しいことではない
選挙の不正操作に関与
ヨーロッパでは……
西側諸国における自国中心主義をサポート
主なターゲットはフランスとドイツ
Facebook上に表示される広告の65%
プロパガンダにさらされるフランス
バロー欧州問題担当相のコメント
誤情報を拡散させてしまう人々
荒らしやボット、サイバー攻撃
IT時代の新たな戦場

かつて、戦争の勝敗は戦場で決まるものだった。しかし、IT時代の戦争において超大国が重視しているのは、私たちの身の回りに溢れる情報だ。

 

西側諸国の弱体化を図るロシア

『ワシントン・ポスト』紙は最近、ロシア外務省が2023年に作成した極秘文書を公開。それによると、ロシア当局は西側諸国の影響力縮小を目論んでいるようだ。

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世界から米国の影響力を排除

同紙が欧州の諜報機関を通じて入手したとされるこの文書では、世界から米国の影響力を排除することが求められている。

「攻撃的な情報キャンペーン」

『ワシントン・ポスト』紙いわく、ロシア外務省は国際社会における米国の覇権を切り崩すため、「攻撃的な情報キャンペーン」を仕掛けているとのこと。

様々な分野を巻き込んだ戦い

また、今回公開された極秘文書では「情報分野における心理戦」に加え、政治や軍事、経済、貿易に至るまで、様々な分野で西側諸国と戦うことが提唱されている。

「敵国の弱点を見つける仕組みが肝心」

さらに、「ロシアの敵を弱体化させる実践的な手法を発展させるには、(敵国の)対外・内政政策における弱点を見つける仕組みを作り出すことが肝心」だと記されていた。

 

ロシアが仕掛けるハイブリッド戦争

『ワシントン・ポスト』紙によれば、ロシア当局が西側諸国に対してハイブリッド戦争を仕掛けていることを示す文書が公になったのは今回が初めてだという。

 

目新しいことではない

ただし、ロシアが北米や西ヨーロッパで情報工作を試みているというのは以前から知られていた。

選挙の不正操作に関与

たとえば、米国の諜報機関はプーチン政権が2016年の米大統領選に介入しようと試みたと指摘している。

 

ヨーロッパでは……

一方、ニュースサイト「ポリティコ」は、欧州内のロシアシンパが情報工作キャンペーン「ドッペルゲンガー」の一環として、欧州議会選挙の数ヵ月前からSNSの広告枠を買収しはじめたと伝えた。

西側諸国における自国中心主義をサポート

もちろん、西側諸国において、明確にロシアとの連携を主張する声は少ない。しかし、欧米諸国で広がる自国中心主義はロシアを利するものであり、クレムリンはこういった政策を掲げる候補者をサポートしようとするはずだ。

 

主なターゲットはフランスとドイツ

「ポリティコ」によれば、こういった広告が主にターゲットとしているのはフランスとドイツであり、ウクライナ支援で生じる負担や農業従事者によるデモなどに焦点を当てているとされる。

Facebook上に表示される広告の65%

同サイトいわく、欧州16カ国のFacebook上で表示される政治・社会関連の広告はその65%あまりが「情報ラベル」を欠いており、ロシアシンパによる情報工作の一環かもしれないとのこと。

 

プロパガンダにさらされるフランス

実際、フランスのジャン=ノエル・バロー欧州問題担当相はX上で、フランス国民はプーチン政権のプロパガンダに絶えずさらされていると明かした。

バロー欧州問題担当相のコメント

『ガーディアン』紙によれば、バロー欧州問題担当相は「フランスは毎週のように、世論を誘導し欧州議会選挙に干渉するための組織的かつ意図的な工作のターゲットとなっています」と発言したとのこと。

 

誤情報を拡散させてしまう人々

一方、ロシア語の翻訳家で歴史家でもあるイアン・ガーナー氏は『フォーリン・ポリシー』誌の記事中で、西側諸国の人々はロシアが仕掛ける情報戦に気付いていないばかりか、誤情報を自ら拡散させてしまっていると指摘。

荒らしやボット、サイバー攻撃

同氏によれば、西側諸国はクレムリンによる情報工作に対応できておらず、ロシアがネット上で仕掛ける荒らしやボット、サイバー攻撃に対して無策だという。

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