プーチン政権、国内3地域で海外サイトへのアクセスを遮断して情報統制を強化
およそ3年前にウクライナへの侵攻を開始して以来、国際社会で孤立を深めつつあるプーチン政権。このような状況のなか、北朝鮮と同じようにロシアが国内でインターネット使用に厳しい制限を課す可能性があるという。
米誌『PCマガジン』によれば、既にロシアのダゲスタン、チェチェン、イングーシという3地域で国外ウェブサイトへのアクセスがブロックされているという。
同誌によれば、ロシア南西部にあるこれら3地域では、GoogleやYouTube、Telegram、WhatsAppといったロシア国外のウェブサイトやSNS、アプリへのネット接続ができない状態になっているという。
仮想サーバーを経由するVPN接続は、情報統制やインターネット上の検閲を回避するために有効な手段として知られている。しかし、今回のロシアでの接続制限では、VPNを使用しても海外サイトにアクセスできなかったという。
ロシアでは2022年2月のウクライナ侵攻をきっかけに、よりいっそうの情報統制を実施。メディアや反体制派が取り締まられたことで、VPNの需要が急増した。しかし、ほとんどのVPNサービスはロシア政府によって使用が禁止されている。
米メディア「ビジネスインサイダー」は、ダゲスタン、チェチェン、イングーシでの海外サイトへのアクセスの遮断は、より多くの地域に拡大する可能性があるという専門家の判断を掲載している。
同メディアによると、ロシア政府は国内全土で海外サイトへのアクセス遮断を検討している可能性もあるという。
『PCマガジン』によれば、これと並行してロシア政府は「主権インターネット」の導入を進めているという。これは各国が独自にインターネット接続の管理統制を行えるとするもので、ロシア政府は2019年の「主権インターネット法」施行以来、6億4,800万ドルを投じてインターネット環境の整備を進めてきた。
北朝鮮では、既に2000年代初頭から一般国民向けに国内向けイントラネット「光明」を提供し、厳しい情報統制を行ってきた。ロシアも同様のインターネット政策を展開する可能性がある。
ロシアが国際社会でますます孤立を深める一方、ウラジーミル・プーチン大統領と金正恩委員長は良好な関係を続けている。ウクライナでの戦争が継続するなか、ロシアが北朝鮮の制度に倣い、情報統制を強めることが懸念されている。