ロシアのベロウソフ国防相がオースティン米国防長官に会談を申し入れ:NATO首脳会議に反応か?

ロシアの意外な反応
サミット閉幕後の出来事
ベロウソフ国防相とオースティン国防長官の電話会談
対話の窓口を維持
途絶えていた国防長官どうしの会談
今年5月に就任したベロウソフ国防相
ウクライナにとって朗報ではない
経済基盤の強化を図るロシア
ベロウソフ国防相の経歴
国防省が主導する防衛産業
ロシアはNATO首脳会談によって対応を迫られた?
ウクライナ支援で結束するNATO
「NATOは東西対立の継続を目論んでいる」
ペスコフ報道官のコメント
NATOのウクライナ支援計画
ロシアと中国を非難
ロシアの意外な反応

米ワシントンで7月に開催されたNATO首脳会議では、加盟国が結束して、これまで以上にウクライナ支援に取り組むことが強調された。ところが、ロシアはこれに対して意外な反応を示したようだ。

サミット閉幕後の出来事

NATO首脳会議を受けて、プーチン政権の指導部はこれを批判する声明を発していた。しかし、米国防総省によれば、サミット閉幕後にロシアの高官から接触があったという。

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ベロウソフ国防相とオースティン国防長官の電話会談

サミット閉幕の翌日、ロシアのアンドレイ・ベロウソフ国防相が米国のロイド・オースティン国防長官と電話会談を行ったのだ。米国防総省はその内容の一部を公表している。

対話の窓口を維持

国防総省が公開した情報はあまり多くないが、ロシアのベロウソフ国防相が「ロシアがウクライナとの戦争を続ける中でも、(米国との)対話の窓口を保つことが大切だと強調した」ことを伝えている。ロシア側がこのような姿勢を見せるのは最近では珍しい。

途絶えていた国防長官どうしの会談

『ザ・ヒル』紙によれば、NATO首脳会議後の電話会談以前にオースティン国防長官がベロウソフ国防相と最後に会談を行ったのは6月25日。それ以前は昨年3月から、対話途絶えていたという。

今年5月に就任したベロウソフ国防相

ベロウソフ国防相が就任したのはショイグ前国防相が安全保障会議書記に転任した今年5月のことであり、ロシア国防相と米国防総省との対話が減っていたのはベロウソフ国防相のせいではない。

ウクライナにとって朗報ではない

ショイグ前国防相の転任が昇進だったのか、はたまた左遷だったのかについては議論の余地がある。しかし、戦略国際問題研究所(CSIS)いわく、この人事はウクライナにとって朗報ではないようだ。

経済基盤の強化を図るロシア

ベロウソフ国防相はそれまであまり知名度の高い人物ではなかった。しかし、CSISの研究者たちによれば、この人事はウクライナと消耗戦を続ける上でしっかりとした経済基盤が欠かせないという、ロシア当局の考えを反映したものだという。

 

ベロウソフ国防相の経歴

プーチン大統領がベロウソフ氏に白羽の矢を立てたのは、旧ソ連式の集権的計画経済の熱心な擁護者だったという経歴によるものだろう。というのも、このような政策は強固な戦時経済を打ち立てる上で有効な手段となり得るからだ。

 

国防省が主導する防衛産業

CSISいわく:「ベロウソフ氏の指揮のもと、ロシアの防衛産業は国防省が掲げるロシア軍のビジョンとますます一体化するだろう

 

ロシアはNATO首脳会談によって対応を迫られた?

ベロウソフ国防相は就任してすぐに、それまで途絶えていた米国防長官との会談を再開したわけではない。『ザ・ヒル』紙いわく、米露関係はロシアがウクライナ侵攻に乗り出したことで冷え込んでいたが、NATO首脳会談を受けてロシアが対応を迫られた可能性もあるようだ。

ウクライナ支援で結束するNATO

『ザ・ヒル』のエレン・ミッチェル記者は、NATO首脳会議で加盟国がウクライナに対する新たな軍事・経済支援を約束したばかりか、ウクライナの将来的なNATO加盟を支持するという宣言まで出したことで、ロシアは取り乱しているのかもしれないとした。

 

「NATOは東西対立の継続を目論んでいる」

クレムリンのペスコフ報道官は7月12日に、「NATOは改めて、その本質を非常に明確に示しました。NATOは東西対立の時代に創設された同盟であり、対立の継続を目論んでいるのです」とコメント。

 

 

ペスコフ報道官のコメント

ペスコフ報道官はさらに、「実際、NATOの軍事インフラがじわじわとロシア国境に向かって移動しているのは明らかです。そこで、我々は慎重かつ効果的な対応で連携し、NATOに対抗しなくてはなりません」とした。

NATOのウクライナ支援計画

ロイター通信によれば、MATOは首脳宣言の中で、ウクライナに対する武器・訓練支援に当てられる430億ドルの費用を各加盟国がどのように負担するかについて、おおまかな計画を提示したという。

 

ロシアと中国を非難

首脳宣言ではまた、ロシアが核兵器の使用をちらつかせ、ベラルーシへ核兵器を配備したことが非難の的となったほか、中国もウクライナ侵攻におけるロシアの「決定的な支援者」だとして問題視されている。

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