ロシア軍が北朝鮮製の兵器を配備へ:SNS画像でみられた対戦車ミサイル「プルセ-4」
Telegramチャンネル「KUP (+18)」が公開した画像にもとづき、複数のメディアがロシア軍は北朝鮮製の対戦車ミサイル「プルセ-4」を前線に配備したようだと報じているのだ。
画像:Telegram @KUPua01
ウクライナの軍事情報サイト「Militarnyi」によれば、空き地で「プルセ-4」らしきものを発見したのは偵察ドローンだったという。「プルセ-4」は北朝鮮が独自開発した自走式対戦車ミサイルで、10キロメートル以上離れた標的を攻撃できるとされる。
画像:Telegram: @KUPua01
「Militarnyi」いわく、北朝鮮製兵器に関するデータは不正確なことも多く、「プルセ-4」の射程距離も実際には25キロメートルに達する可能性があるとのこと。
この推測が正しければ、「プルセ-4」は敵の装甲車両をその射程圏外から攻撃できるということになる。
軍事情報サイト「Army Recognition」は「プルセ-4」について、「北朝鮮が現在、取り組んでいる軍事技術の近代化の一環」であり、歩兵部隊の威力を高めるものだとしている。
「プルセ-4」は2016年に北朝鮮の国営放送を通じてお披露目された。しかし、全部で何両製造されたのかは不明だ。
リアルタイムのデータ伝送と精確な射撃管制システムを備えた「プルセ-4」は、従来の北朝鮮製兵器とは一線を画すものであり、乗員の保護にも力を入れているとされる。
前出の「Army Recognition」によれば、「プルセ-4」は6輪駆動で、ミサイルを8発搭載しているとのこと。
画像:Army Recognition
『フォーブス』誌のデイヴィッド・アックス記者によれば、ウクライナに送られたロシア軍の「プルセ-4」はハルキウ州の主戦場となったヴォウチャンシク付近で目撃されたという。
ロシア軍の「プルセ-4」を発見したドローンオペレーターはXアカウント上で、この車両が「ロケット弾6発を発射して走り去った」ことを明かしている。
アックス記者によれば、「プルセ-4」は北朝鮮が独自開発した兵器だが、車体のベースとなっているのは旧ソ連が開発した装甲兵員輸送車「BTR-80」の北朝鮮版らしい、
アックス記者いわく:「ロシア軍にとって、『プルセ-4』はますます高まるニーズを満たすものです」ロシア軍は開戦以来、対戦車ミサイルランチャー「シュトゥルム」および「コルネット」を50基ほど失っており、この損失を「プルセ-4」で補っているというのだ。
画像:Wiki Commons By VoidWanderer, Own Work, CC BY-SA 4.0
今年6月、ロシアのプーチン大統領は平壌を訪問し、金正恩総書記と会談。両者は包括的戦略パートナーシップ条約を締結し、関係強化を図った。
首脳会談の場で「プルセ-4」の供与が議論されたかどうかは不明だが、この車両がウクライナで目撃されているからには、それ以外の北朝鮮製車両もロシアに移送された可能性がある。
アックス記者いわく:「ロシアと北朝鮮が6月に締結した安全保障条約の詳細は不明です。しかし、北朝鮮製車両の大量供与が含まれている可能性は高いでしょう」
しかし、ウクライナの軍事情報サイト「Defense Express」によれば、ウクライナは自国領内における「プルセ-4」の使用について、確認できていないとしているそうだ。
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