ロシア軍のミサイル投下、ウクライナの建築遺産「ハリー・ポッター城」が炎上
2024年4月29日、ウクライナ南西部の湾岸都市であるオデーサで「ハリー・ポッター城」の愛称で親しまれる建物にロシアがミサイルを投下。建物はあっという間に炎に包まれてしまった。
The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に
壮麗なつくりで知られ、現在は教育機関として利用されていた「ハリー・ポッター城」。英紙『ガーディアン』の報道によると、ロシアのミサイル攻撃により城の周辺では5人が死亡したという。
「ハリー・ポッター城」と呼ばれるこの城は、ウクライナの重要な知識人かつ政治家であるキヴァロフ氏が所有する邸宅だ。現在は、法学アカデミーなどの研究活動のために部分的に開放されていた。
今回の攻撃で、妊娠中の女性と4歳の子供を含む32人が負傷した。
米『ゲッティイメージズ』の情報では、ウクライナ当局は「ロシア軍はオデーサを攻撃するため、クラスター弾を搭載した弾道ミサイルを使用した」と発表している。
クラスター弾はロシアが継続的に使用している武器の一つである。英紙『インデペンデント』によると、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は「西側同盟国からの援助の遅れ」により、ウクライナの自衛が難しくなっていることに対し懸念を表明した。
ウクライナでの戦争は人命を奪うだけでなく、高い文化的・芸術的価値をもち将来のために保存すべき遺産をも破壊している。
今回攻撃を受けた「ハリー・ポッター城」だが、幸いにも建物の中心部への大きな被害は免れたようだ。
ロシアによるウクライナ侵攻で始まった戦争は長期化の一途をたどっている。常にミサイル攻撃の恐怖に晒され、一瞬ですべてが破壊される可能性と隣り合わせの状態が、ウクライナの日常になってしまっている。
ロシア軍から攻撃を受けた後の「ハリー・ポッター城」の様子は写真の通りである。海岸とのコントラストが美しいが、そこには戦禍の傷痕も残る。かつての姿を取り戻せる日が一日も早く訪れることを願う。
The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に