24時間で1,500人に達したロシア軍の死傷者数:ウクライナ軍の発表
ウクライナ軍参謀本部は毎日、戦況に関するデータを公表しているが、それによると、ロシア軍は9月21日から22日にかけてのわずか24時間で、1,500人もの死傷者を出したという。
また、同参謀本部の発表によれば、ロシア軍が開戦から9月22日までに出した死傷者数は計64万2,420人に達したとされており、近いうちに65万人に達する見込みだ。
ただし、ウクライナ軍参謀本部が公表するデータの中では、戦死者と負傷者が区別されていないことに留意すべきだろう。
『ニューズウィーク』誌はこのデータについて、ロシア領クルスク州およびウクライナ東部で戦闘が続く中で、ロシア軍の死傷者数が急増していることを示すものだと指摘。
『ニューズウィーク』誌いわく、「(ロシア軍が)1日に被った人的損失としては5月以降で最大規模」だ。しかも、ロシア軍が失ったものは兵力だけではない。
ウクライナ軍参謀本部はロシア軍が9月21日から22日にかけての24時間で、戦車と装甲兵員輸送車を相当数失ったものと見ている。
同参謀本部によれば、ウクライナ軍は1日のうちに敵の戦車22両と装甲兵員輸送車52両を撃破した模様。その結果、ロシア軍が失った戦車は計8,768両、装甲兵員輸送車は1万7,220両に達したという。
『ニューズウィーク』誌はこの数字について、「ウクライナ側の主張ではあるものの、(ロシア軍が)1日で失った戦車と装甲車両の数としては、ここ数ヵ月でもっとも突出している」とした。
ロシア軍はさらに、同じ期間で砲兵システム63基を失ったとされており、開戦以来の損失は計1万8,333基に到達。同国軍にとって、大きな痛手であるのは間違いないだろう。
『ニューズウィーク』誌いわく、ロシア軍はここ最近、毎日のように多大な損失を被っており、ウクライナ軍参謀本部が9月21日に公表したデータでも、過去24時間にロシア軍が出した死傷者数は1,440人、装備品の損失は戦車21両、装甲兵員輸送車38両、砲兵システム58基となっていた。
また、同参謀本部が9月20日に行った報告でも、ロシア軍は過去24時間に1,340人の兵力を失ったほか、装備品の損失は戦車20両、装甲兵員輸送車39両、砲兵システム35基に上ったとされている。つまり、ロシア軍は9月19日から22日にかけて、相次ぐ大損害を被ったのだ。
その後、9月22日から23日にかけても、兵力1,330人、戦車16両、装甲兵員輸送車30両、砲兵システム81基を失ったとされており、ロシア軍にとって事態は好転していないようだ。
もちろん、戦争の当事国が発表したデータを鵜呑みにするわけにはゆかない。『ニューズウィーク』誌いわく、「双方とも公式な推計を発表しておらず、死傷者数を正確に把握するのは困難」なのだ。とはいえ、第三国による推計によって、ウクライナ軍参謀本部の発表はある程度、信頼性があることが示されている。
9月5日、英国防省はウクライナ侵攻の戦況に関する定期報告の中で、ロシア軍の戦死者数は61万人あまりに上るとの見方を示したほか、2024年8月の死傷者数は1日平均1,187人と推計。そのほとんどは、ウクライナ東部とロシア領のクルスク州における戦闘で生じたとされる。
一方、ウクライナ軍参謀本部が発表した9月5日時点でのロシア軍の死傷者数は62万1,550人であり、英国防省による推計との差はおよそ1万人に過ぎない。
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