人類が住める可能性のある太陽系外惑星の数々
科学の発達はいちじるしく、人類が暮らす太陽系の外部にも、たくさんの惑星(それらは太陽系外惑星と呼ばれる)が発見されてきた。そのなかには、地球によく似た惑星があり、人が住める可能性もあるという。
もちろん、人類がその星に住むためには、いろいろな条件をクリアした惑星でなくてはならない。
画像:Poster compilation from NASA Exoplanet Exploration Program-JPL/exoplanets.nasa.gov
人が住むには、その惑星は地球型惑星、あるいはスーパーアースでなければならない。地球型惑星とは、地球のように、主に岩石や金属からなる惑星である。スーパーアースは巨大地球型惑星とも呼ばれるが、同じく岩石や金属からなり、地球の数倍程度の質量を持つ惑星のことだ。
また、ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)という考え方がある。惑星がハビタブルゾーンを公転しているということは、惑星がその主星(地球にとっての太陽にあたる恒星)とほどよい距離にあり、惑星の表面に液体の水が存在していることを意味している。
いうまでもなく、大気も重要だ。大気については、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などを使用した観測が現在も行われている。
以上の点を考慮にいれつつ、太陽系外惑星が地球にどれだけ似ているかを数値化したのが、地球類似性指標(ESI)である。ESIは0から1の数値で示される。
プエルトリコ大学アレシボ校の惑星居住可能性研究室は、さきのESIの値に基づき、居住可能な太陽系惑星のリストを作成している。
次に紹介するのは、リストの上位にランクインしている惑星である。これらの星は潜在的に居住可能とされているのだ。ちなみに画像は実際の写真ではなく、想像図である。
ティーガーデン星bはおひつじ座の恒星ティーガーデン星の惑星で、質量も半径も地球とあまりかわらない(地球よりわずかに大きい)。公転周期は4.9日(ちなみに地球は一年かけて太陽の周りを回っている)。2019年に発見された。地球からは12光年の距離がある。
画像:NASA / Exoplanet Catalog
TOI-700 dは、NASAが打ち上げた太陽系外惑星探索衛星(TESS)によって2020年に発見された。地球からは101光年離れている。
画像:NASA's Goddard Space Flight Center - https://www.jpl.nasa.gov/spaceimages/images/largesize/PIA23408_hires.jpg
ケプラー1649 cは、赤色矮星ケプラー1649の周りを回る惑星である。惑星の半径は地球の1.06倍。地球から301光年先にある。
画像:NASA/Ames Research Center/Daniel Rutter - https://images.nasa.gov/details-ACD20-0044-002
TRAPPIST-1 dの質量は、地球の39%くらいである。みずがめ座の方向にある赤色矮星TRAPPIST-1の惑星だ。公転周期は4日。その軌道のすぐ近くを、さらに6つの惑星が公転している。地球からは41光年離れている。
画像:NASA/JPL-Caltech - Cropped from PIA22093: TRAPPIST-1 Planet Lineup
LP 890-9 cは、地球からエリダヌス座の方向に106光年離れたところにある。地球よりやや大きい。2022年に発見された。
画像:NASA / Exoplanet Catalog
プロキシマ・ケンタウリbは、地球から最も距離の近い、潜在的に居住可能な惑星である。この惑星は、太陽系に最も近い恒星である赤色矮星プロキシマ・ケンタウリのハビタブルゾーン内を公転しているのだ。地球からは4.2光年の位置にある。
画像:ESO/M. Kornmesser - (https://www.eso.org/public/images/ann16056a/)
赤色矮星K2-72のハビタブルゾーンを公転するのが、K2-72 eである。半径は地球の1.29倍。地球からはみずがめ座の方向に217光年離れている。
画像: NASA / Exoplanet Catalog
GJ 1002 bは、地球の1.08倍(かそれ以上)の質量の惑星と考えられている。半径も地球にかなり似ている。公転周期は10.3日。地球から16光年離れている。
画像:NASA / Exoplanet Catalog
GJ 1061 dの質量は地球の1.64倍(かそれ以上)だという。地球から「とけい座」方向に12光年離れたところにある赤色矮星GJ 1061の周りを13日かけて回っている。
画像:NASA / Exoplanet Catalog
こちらも名前のとおり、GJ 1061の惑星である。地球の質量の1.74倍(かそれ以上)。主星の周りを6.7日で回っている。
画像:NASA / Exoplanet Catalog
ロス128 bの質量は地球の1.40倍(かそれ以上)。主星の周りを9.9日で一周する。地球からは11光年の距離。
画像:NASA / Exoplanet Catalog
GJ 273 bの質量は、地球の3倍ちかくある。公転周期は18.6日。地球からの距離は12光年。
画像:NASA / Exoplanet Catalog
ケプラー296 eは、こちらも地球の3倍くらいの質量を持つ。公転周期は34.1日。地球からはるか544光年の彼方にある。
画像:NASA / Exoplanet Catalog
TRAPPIST-1 eは、地球よりもやや半径が小さい。前出のTRAPPIST-1 dよりも内側を公転している。公転周期は6.1日。地球からは41光年の距離にある。
画像:NASA / Exoplanet Catalog
ケプラー442 bの質量は、地球の2.36倍という。主星の周りを112.3日かけて回る。地球からは1193光年離れている。
画像:NASA / Exoplanet Catalog
ところで、「光年」とは光が1年かけて進む距離をもとにした単位であるが、キロメートルに換算すると、1光年は約9兆5000億キロメートルになる。ちなみに地球の一周は4万キロメートル。毎日地球一周分、つまり地球の自転のスピードで宇宙をつき進めば、2億3750万日後(だいたい65万年後)には1光年を走破できる計算だ。