ウクライナの首都キーウ、ロシアによる侵攻開始前の風景を振り返る
ウクライナの首都キーウは長い歴史と美しい景観をもつ街であり、多くの人々が行き交う商業と文化の中枢でもある。
しかし、2年前にロシアがウクライナへの侵攻を開始して以来、この欧州きっての古都をミサイルが襲うようになってしまった。
「幾重にも層のある蜜蜂の巣のように、まちは煙り、ざわめき、生きていた。極寒や靄の中でドニエプル川をのぞむ丘から見るまちは美しい」*と、作家ミハイル・ブルガーコフは自伝的小説『白衛軍』のなかで書いている。この「まち」はブルガーコフの故郷であるキーウのことであり、小説は第一次大戦後の1918〜1919年を舞台にしている。
*『白衛軍』中田甫/浅川彰三訳、群像社(1993年)
1世紀を経た現在、ウクライナの首都は再び窮地に置かれている。しかしここでは、ウクライナ侵攻が始まる前のキーウの風景を見ていこう。
「統一の日」を祝い、伝統的な衣装に身を包んだ男がドラムを叩きながら行進している。キーウでウクライナ東西統一宣言が行われたのは1919年1月22日のことだった。
平時のキーウはにぎやかな街で、ナイトライフも充実している。ライトアップされた建物の下を車が往来し、レストランのテラス席も人気を集めていた。
写真:Eugene Chystiakov / Unsplash
奥に見えるのは聖ソフィア大聖堂。その前にはソフィア広場が広がっている。
写真:Artem Zhukov / Unsplash
まるで水墨画のような暗い雲が、建物のピンク色と不思議なコントラストをなしている。古都キーウには美しい歴史的建造物がたくさん残っている。
写真:Viktor Talashuk / Unsplash, photo published October 2020
キーウにかかる橋の夕暮れ。
写真:Artem Pochepetsky / Unsplash
アンドレイ坂から街を一望。アンドレイ坂のあるポジール地区は、キーウでも最も歴史の古い地区のひとつである。
写真:Hristo Sahatchiev /Unsplash
キーウ・ペチェールシスク大修道院は、ユネスコ世界遺産に登録されている。修道院には地下聖堂があり、聖人たちが眠っている。
写真:lifeinkyiv /Unsplash
街の明かりに囲まれた夜の独立広場。ガラス張りのドームが地面にかぶさっているが、これは地下にあるショッピングセンターの屋根である。
写真:Maksym Diachenko / Unsplash
ペチェールシク区のポートレイト。ペチェールシク区はキーウ中心部の歴史ある地区で、先にふれたキーウ・ペチェールシスク大修道院から発展した地区だという。ウクライナ大統領府、最高議会、検察庁なども置かれている。
自転車競技のトレーニングをする若者たち。それを上から眺める人々。壁画の存在感も強烈だ。
写真:Eugene Chystiakov / Unsplash
こちらはスケートボードの練習にいそしむ少年たち。画面左の少女たちはどこかに向けて歩を進めているようだ。
写真:Maksim Zhashkevych / Unsplash