クーラーを使わない暑さ対策の方法、いくつ知ってる?
暑くなる時期、どうすれば過ごしやすくできるだろう。だれもが冷房のきいた部屋にこもったり、休暇をとって海や山へ涼みに行けるわけではないのだ。そこで今回は、冷房を使わずに猛暑をのりきるコツを紹介したい。
扇風機は室温を下げるものではない。すでに室温が高い場合、暑い空気をただかき混ぜるだけになる。部屋を涼しくしたいなら、扇風機の前に濡れた布や氷水の入ったボトルを置こう。これにより、扇風機から涼しい空気を送り出すことができる。
ミントの葉に含まれるメントールには、冷たさを感じさせる冷刺激受容体を活性化させる働きがある。ただし、ミントティは冷たくするより、熱いハーブティにして飲もう。冷たい飲み物は体温を一時的に下げる働きがあるが、その分体はもとの体温に戻ろうとすることになる。逆に、熱い飲み物にそうした作用はなく、体が体温を下げようとするので爽快感を得ることができる。これが砂漠の民が熱いお茶を飲む理由だ。
ペパーミントオイルをこめかみやヒザの裏、ひじの内側などに1滴垂らしてみよう。高い爽快感が得られる。爽やかな香りのペパーミントは、片頭痛にも効果的だ。
暑い日が続くと水でシャワーを浴びたくなる。しかし、体は急激な温度変化を好まない。一番良いのはぬるま湯でシャワーを浴びることだ。冷たすぎる水を浴びると、体は無理に体温を上昇させようとする。
よく動物が舌を出しているが、キュートな写真写りを狙っているわけではない。そうすることで涼をとっているのだ。舌を「U」の形にして強めに呼吸をすると、その効果のほどが実感できるだろう。
日中は雨戸やカーテンを閉めて、日差しで室温が高まるのを防ぐ。これはよく知られた古来の知恵のひとつだ。気温が下がる早朝や夜に窓を開け、室内に爽やかな空気を取り入れよう。
窓際に濡れた衣類やタオルをおいてみよう。布類から蒸発する水分が熱を吸収してくれる。
夜になっても気温が下がらず、なかなか寝付けないことがある。これも昔からある知恵の一つで、朝一番にシーツをビニール袋に入れて冷凍庫に入れておこう。寝るときにそのシーツを敷けば、ひんやりと涼しく眠りにつくことができる。
意識することは少ないかもしれないが、使っていない電化製品の電源は切るようにしよう。お昼休みにはパソコンの電源を切るのを忘れずに。そして、夜寝る前には使っていない電化製品のコンセントや無線LANルーターのプラグを抜いておくといい。さらに、オーブンや電子レンジはもちろん、洗濯機などは電気料金の安くなる夜間などに使うようにしよう。
日中にたくさん歩いた日には、水をはって塩と氷を少し入れた洗面器で足湯をしてみよう。体をクールダウンしてくれるだけでなく、足のむくみを取ることもできる。
体に密着した服は、肌の上で空気が循環しないので体内温度を上昇させがちだ。おすすめは風通しのよい、ゆったりとした服。
室温を下げることができない時は、森や公園など、とにかく木があるところに行こう。植物には蒸発散作用によって大気を冷やす働きがある。木の根から吸い上げられた水は、水蒸気となって葉っぱから放出される。フランス国立森林局によれば、オークの木は1日に1,000リットルの水を処理することができるという。
水分補給は欠かさないようにしよう。夏場は1日に2リットルの水を飲むといい。喉の渇きを感じる前に、こまめに水分を補給することが大切だ。また、メロン、スイカ、イチゴなど、水分をたくさん含んだ果物を多めにとったり、野菜ジュースを飲んだりするのも効果的だ。食事時には食べ過ぎに気を付けて。少な目の量にして料理も軽めにすれば消化もよく、体温調整もしやすくなる。
びしょ濡れとまではいかなくても、濡らした衣類を身に着ければ、肌の表面を涼しく保つことができる。また、手首を2分ほど冷水につけるのも効果的だ。
氷枕はとても効果的だ。冷たい水と小さな氷を入れ、横になるときに活用しよう。
植物も人間と同じように、夏にはより多くの水分を必要とする。ただし、日中に水やりをすると、暑さで水分の蒸発が早くなる。夕方、日が暮れてから水やりをしよう。また、シンクに水を張って、植木鉢の底の方を浸しておくのもよい。