北朝鮮、北緯38度線で韓国に向けて「騒音攻撃」を仕掛ける
ここ数年、韓国と北朝鮮の間で再び緊張が高まりつつある。そんな中、北朝鮮が対韓国用に変わった新兵器を持ち出してきた。
『ニューヨーク・タイムズ』紙によると、軍事境界線(DMZ)周辺で奇妙な音が観測されているのだという。音の種類はさまざまで、叫び声や爆発音、金属が擦れる音、砲弾の飛来音などだ。
DMZ近くに住む韓国の住民によると、不安感を煽る音が一晩中鳴り響いており、一帯ではこういった「騒音攻撃」に悩まされているのだという。
『ニューヨーク・タイムズ』紙によると、北朝鮮は2024年中頃にスピーカーを設置し、1日10~24時間この種の騒音を流しているのだという。非常に奇妙な心理的攻撃と言わざるを得ない。
仏放送局「France 24」によると、北朝鮮はかつて、韓国政府を批判し北朝鮮の体制を賛美するプロパガンダメッセージを流したことがあったという。それが今では、まるで低予算のホラー映画のような音になってしまった。
北朝鮮による変わった攻撃といえば、ゴミを詰めた風船による「ゴミ爆弾」攻撃もあった。韓国ではこれに対してK-popを北に向かって流すことで対向していた。
一見すると奇妙な攻撃だが、「France 24」も指摘するように、これが現在悪化の一途をたどっている南北関係を象徴するものであることも確かだ。
北朝鮮は近年弾道ミサイル実験を再開しており、韓国だけでなく日本や台湾、アメリカなども懸念を表明している。
さらに2024年にはロシアとの間に戦略的パートナーシップ条約も締結しており、韓国との間の対立関係はいっそう深まっている。
米政府の報告によると、現在1万人ほどの北朝鮮兵がロシアのクルスク州に派遣されており、ウクライナ侵攻支援のために訓練を受けているのだという。
ロシアの協力を得た北朝鮮は、韓国を筆頭とする西側諸国との直接対決を選ぶのだろうか? いまのところは直ちにそのような行動を取る兆候はないものの、韓国の国境近辺での生活が穏やかなものとなることを願わずにはおれない。