危険な賭け?:日本初のカジノがオープン
是非をめぐる論争や懸念の声もあったが、日本政府はついにカジノの建設を承認。
BBC放送によれば、日本初のカジノリゾートは大阪で2029年にオープンする予定だ。
日本政府は2018年、カジノに関する国内法を緩和。ポーカーやバカラをはじめとする一部ゲームを解禁することで、新たな雇用創出と観光振興を図ったのだ。
カジノ建設予定地は大阪にある人工島、夢洲だ。ホテルや会議場、劇場、ショッピングモール、博物館といった施設もあわせて設置されることになっている。
数年前から計画されていたこのプロジェクトだが、コロナ禍の影響で一時棚上げとなっていた。
岸田文雄首相は、大阪のカジノ建設によって地域一帯の発展と雇用の創出が見込めるとしている。
『ガーディアン』紙によれば、岸田首相はカジノリゾートの建設によって大阪が「日本の魅力を世界に発信する観光拠点」になると力説。
BBC放送によれば、同様のカジノ計画は長崎県でも提案されているという。
しかし、カジノのオープンによって、ギャンブルが日本社会に蔓延するのではないかという懸念の声も挙がっている。
『ガーディアン』紙が引用した2021年の政府調査によれば、日本人口の2.2%がギャンブル依存に陥っているとされる。
また、ギャンブル業界が組織犯罪の温床になってしまう可能性も指摘されている。
写真:Miikka Luotio / Unsplash
日本においてギャンブルは刑法によって原則禁止されているが、例外もある。
写真:Jezael Melgoza / Unsplash
競馬や競艇をはじめとするレースやサッカー賭博の一種「toto」、さらには宝くじといった公営ギャンブルが存在するのだ。
そして、ご存じの通りパチンコも実質的にはギャンブルの一種と言って差し支えないだろう。
パチンコ玉と特殊景品を交換し、これを景品交換所で現金化するという、いわゆる「三店方式」は法律の抜け穴を突いたものだ。
ニュースサイト「ビジネスインサイダー」によれば、日本のパチンコ業界はラスベガスにある全カジノの30倍という、莫大な収益を上げているとされる。コロナ禍以前には毎年2,000億ドルの利益を生み出しており、カジノ建設の土壌は良くも悪くも整っているのだ。