トランプ前大統領の「口は禍の元」:SNS上の暴言でまたしても裁判沙汰に?:

止まらない前大統領の失言
問題発言で裁判沙汰に?
トランプ前大統領の常套手段
戦没者追悼記念日の投稿
「トランプを目の敵にする連邦判事」
E・ジーン・キャロル氏の事件とは?
疑惑を否定したトランプ前大統領
キャロル氏側が勝訴
懲りないトランプ前大統領
キャロル氏の名前には言及せず
「握手したことがあるだけ」
アーサー・エンゴロン判事
バイデン陣営の反応
キャロル氏の弁護士
「あらゆる選択肢が検討されている」
再び裁判沙汰に?
カプラン弁護士のコメント
止まらない前大統領の失言

大統領選の候補者ともなれば、普通は公的な発言には細心の注意を払うものだ。ところが、トランプ前大統領の場合はあいかわらず失言を繰り返している。

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問題発言で裁判沙汰に?

過去には放言で告訴されてしまったこともあるトランプ前大統領。今回はメモリアル・デー(戦没将兵追悼記念日)にTruth Social(トランプ氏が創設したSNSプラットフォーム)上で問題発言を行ったようだが、またしても裁判沙汰になってしまうかもしれない。

トランプ前大統領の常套手段

トランプ氏がライバルたちを誹謗中傷するのはもはやお馴染みとなっている。今回、同氏に矛先を向けられたのはコラムニストのE・ジーン・キャロル氏をはじめとする反トランプ派だった。

戦没者追悼記念日の投稿

トランプ前大統領はTruth Socialにかつて偉大だったこの国を台無しにしようと躍起になっている人間のクズどもを含め、あらゆる人々にとってよいメモリアル・デーになりますように」と投稿。そして、「人間のクズ」とは誰のことなのか、具体的に列挙したのだ。

「トランプを目の敵にする連邦判事」

トランプ前大統領の言う「人間のクズ」の筆頭が「過激な左翼」であるのは驚くに当たらない。しかし、左翼と並んで同氏が「トランプを目の敵にする連邦判事」をやり玉に挙げたのは一体、どういうわけだろうか? E・ジーン・キャロル氏に対する名誉棄損の裁判で、トランプ氏はこの判事から総額9,100万ドルの慰謝料支払いを求められたというのだが……

E・ジーン・キャロル氏の事件とは?

まず、E・ジーン・キャロル氏は米国の著名コラムニストで、1995年あるいは1996年にニューヨークにある高級デパート「バーグドルフ・グッドマン」でトランプ前大統領から暴行を受けたと書いたことでトランプ氏と裁判になった経緯がある。

疑惑を否定したトランプ前大統領

トランプ前大統領はこの疑惑を否定し、キャロル氏とは一度握手をしたことがあるだけで、そのとき以外に会ったことはないと主張。また、キャロル氏も暴行そのものについてトランプ前大統領を告訴したことはない。しかし、この件に関連して2019年にトランプ氏が行った発言が名誉毀損に当たるとして、裁判に訴えたのだ。

キャロル氏側が勝訴

裁判は混迷を極めたが、結局、キャロル氏側が2件の裁判で勝訴。トランプ前大統領はそれぞれの件で慰謝料500万ドルおよび8,300万ドルの支払いを命じられることとなった。

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懲りないトランプ前大統領

さしものトランプ氏もこれに懲りて、キャロル氏に対するコメントを差し控えるのかと思いきや、メモリアル・デーの投稿を見る限り、そうではないようだ。

 

 

 

キャロル氏の名前には言及せず

もちろん、トランプ氏は今回の投稿でキャロル氏の名前に直接言及してはいない。慰謝料9,100万ドルの支払いを命じられたことについて不満を表明し、彼女が「警察に被害届を出さなかった」ことを指摘しただけだ。とはいえ、その意図は誰が見ても明らかだった。

 

「握手したことがあるだけ」

投稿の中でトランプ元大統領はキャロル氏について、著名人が集まるイベントで軽く握手したことがあるのみだと再び主張。その後、その他の「人間のクズ」たちに矛先を移した。

アーサー・エンゴロン判事

トランプ氏いわく:「ニューヨーク州のイカれた判事、アーサー・エンゴロンは陪審員をよばず、かつて一度も参照されたことのない法令を引き合いに出して、無罪の私におよそ5億ドルもの罰金を科しやがった(控訴中)。マー・ア・ラゴがたった1,800万ドルだって? そして、今度はマーチャン(ニューヨーク州最高裁のファン・マーチャン判事のこと)だ!」

バイデン陣営の反応

一方、バイデン陣営はトランプ前大統領の暴言にすばやく反応。「犠牲になった米兵たちに対する言及がゼロ」であるばかりか、自分を支持しない人々に「人間のクズ」というレッテルを貼るのに夢中になっていると批判した。

 

 

キャロル氏の弁護士

さて、メモリアル・デーにかこつけて、いつも通りトランプ節を炸裂させたトランプ前大統領だが、これがまたしても裁判に発展する可能性が出てきた。E・ジーン・キャロル氏を担当するロバータ・カプラン弁護士が、トランプ前大統領のTruth Social投稿を問題視し、名誉棄損で再び訴える構えを見せているのだ。

 

「あらゆる選択肢が検討されている」

『ニューズウィーク』誌によれば、カプラン弁護士はトランプ氏の投稿を受けて、「1月に行われた前回の評決以来、あらゆる選択肢が検討されていると何度も申し上げてきました。そのことは今も変わりません」とコメント。

再び裁判沙汰に?

キャロル氏が今回のトランプ発言をめぐって、本当に告訴するかどうかは今のところ不明だ。しかし、『ガーディアン』紙いわく、カプラン弁護士は前回の評決後に、依頼人に関するトランプ発言はすべて監視すると仄めかしており、再び裁判沙汰になる可能性も高いとのこと。

 

 

カプラン弁護士のコメント

カプラン弁護士は3月に『ニューヨーク・タイムズ』紙上で、「ほとんどの裁判所の管轄区域で、名誉毀損の時効は1~3年です。前回の評決後に申し上げた通り、私たちは依頼人についてドナルド・トランプ氏が行う発言を監視し続けます」と述べていた。

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