国際刑事裁判所から「逮捕」対象となっている国家リーダーたち

ハーグにある国際刑事裁判所
人道に対する罪や戦争犯罪を裁く常設機関
ネタニヤフ首相への逮捕状を請求
ほかにはどんな人物への逮捕状が?
プーチン大統領
ロシア政府は容疑を否定
バシール元大統領
クーデターで投獄されるがICCでは裁かれていない
カダフィ大佐
次男も拘束される
ICCの主任検察官はセイフ・イスラムの弁護士だったことも
ジョゼフ・コニー
ハーグにある国際刑事裁判所

オランダのハーグにある国際刑事裁判所(ICC)は、戦争犯罪を含め、国際社会全体の関心事であるもっとも重大な犯罪に問われる個人を訴追することを目的に設立された。

人道に対する罪や戦争犯罪を裁く常設機関

設立されたのは2003年で、人道に対する罪や戦争犯罪を裁く、唯一の常設の国際裁判所となっている。

The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に

ネタニヤフ首相への逮捕状を請求

ICCの主任検察官は5月20日、イスラエルのネタニヤフ首相の逮捕状を請求したと発表した。パレスチナ自治区ガザ地区における戦争犯罪の容疑によるものだ。

ほかにはどんな人物への逮捕状が?

これに対してネタニヤフ首相は異議を申し立てているが、請求が通れば、ネタニヤフ首相はICCから逮捕状が発行された4人目の国家指導者ということになる。では、他にはいったいどのような人物に対する逮捕状が出されているのだろうか。

プーチン大統領

ICCは2023年3月、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対する逮捕状を発行している。ウクライナから数百人の子供を違法に移送したという戦争犯罪の容疑だ。

ロシア政府は容疑を否定

だが、ロシア政府はこの逮捕状発行を意味のないものだとしており、ロシア軍がウクライナ侵攻の過程で犯罪行為を行ったという非難は繰り返し否定している。

The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に

バシール元大統領

また、ICCは2009年にスーダンのオマル・アル=バシール元大統領(写真左)にも逮捕状を出している。スーダンのダルフール紛争では推定30万人が殺害され200万人以上が難民となっているが、元大統領はそれへの関与を疑われており、人道に対する罪や戦争犯罪の容疑がかけられている。

クーデターで投獄されるがICCでは裁かれていない

バシール元大統領やその周辺の人物らは2019年にスーダンで起きたクーデターの結果投獄されたが、ハーグに移送されたことはない。国防軍によると、バシール元大統領は昨年4月に刑務所から軍の病院に移送されたという。ロイター通信が報じている。

カダフィ大佐

2011年にはリビアのカダフィ大佐(写真)にも逮捕状を出していた。だが、カダフィ大佐は同じ年の10月に国内反対派に拘束され、射殺されている。

次男も拘束される

カダフィ大佐が殺害された数日後に同大佐の次男セイフ・イスラム(写真右)もリビア西部ジンタンの民兵に拘束されたが、2017年に恩赦されている。

ICCの主任検察官はセイフ・イスラムの弁護士だったことも

ちなみに、2021年からICCの主任検察官となっているカリム・カーン氏(写真)は2018年までセイフ・イスラムの弁護士も務めていたことがある。

ジョゼフ・コニー

国家指導者ではないものの、ICCはウガンダの反政府勢力「神の抵抗軍」の指導者ジョゼフ・コニーにも逮捕状を出している。コニーは36もの戦争犯罪や人道に対する罪で2005年に逮捕状が出されており、ICCの容疑者としてはもっとも古株となっている。

 

The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に

ほかのおすすめ