探査機ジュノーが捉えた美しい木星の姿

美しく輝く木星
木星に関する新たな知見
探査機ジュノーの任務
NASAジェット推進研究所による説明
出発直後に捉えた地球の写真
2016年に木星周回軌道に到着
飛行距離は16億キロメートル
ジュノーから送られてきたデータ
市井の研究者も協力
木星表面の嵐
遠くから見る分には美しいが……
地球サイズの台風
木星の南極
実はかなり青みがかっている
大赤斑
衛星イオ
2025年までミッション延長
今後の活動予定
美しく輝く木星

巨大ガス惑星、木星の謎を解き明かすため、NASAが2011年8月に打ち上げた探査機ジュノー。2016年に木星周回軌道に到着して以来、美しい画像や意義深いデータを地球にもたらしている。

木星に関する新たな知見

NASAは1970年代から、さまざまな探査機を利用して木星の謎を解明しようと試みてきた。なかでも、木星探査機ジュノーはこの惑星に関する知見を深める上で大きな役割を果たしている。

画像:Wiki Commons By NASA on The Commons, Pioneer 10, No restrictions

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探査機ジュノーの任務

ジュノーは2011年8月に地球を飛び立ち、5年間におよぶ長旅を経て運用に入った。その任務は木星に関するデータを収集すること、木星の高画質な写真を撮影することだった。

画像:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS
Image processing by Tanya Oleksuik, © CC BY

NASAジェット推進研究所による説明

NASAジェット推進研究所のウェブサイトによれば、この探査機の活躍のおかげで木星の大気に関する知見が覆され、太陽系における位置づけが変わったとのこと。

画像:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS /
Image processing by Thomas Thomopoulos © CC BY

 

 

出発直後に捉えた地球の写真

探査機ジュノーは打ち上げ直後から写真撮影を開始。最初に送られてきた画像のひとつは地球の姿を捉えたものだった。

画像:NASA/JPL-Caltech/Malin Space Science Systems

 

2016年に木星周回軌道に到着

2016年7月にようやく木星周回軌道に入ったジュノーは最初のフライバイの際に、これまで人類が見たことのなかった面を撮影。この画像は『Jupiterrise(木星の出)』と名付けられることとなった。

画像:Enhanced image by Alex Mai (CC-BY) based on images provided courtesy of NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS

飛行距離は16億キロメートル

ニュースメディア「ビジネスインサイダー」によれば、探査機ジュノーの飛行距離はおよそ16億キロメートルにも達するという。

画像:Enhanced image by Kevin M. Gill (CC-BY) based on images provided courtesy of NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS.

ジュノーから送られてきたデータ

ジュノーが任務をスタートするまでには長い年月がかかったが、ジュノーがもたらしたデータは天文学者たちにとって、待つだけの価値があるものだった。

画像:NASA / SwRI / MSSS

市井の研究者も協力

木星を捉えた写真については、市井の研究者たちも大きな貢献をしている。ジュノーから送られてきた生データに手を加え、実際の色を再現したのだ。「ビジネスインサイダー」によれば、この画像は市井の研究者によって色付けされた写真の一例だ。

画像:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS
Image processing by AliAbbasiPov, © CC BY

木星表面の嵐

木星探査機ジュノーがもたらしたもっとも興味深い成果のひとつは、木星表面で発生する嵐を克明に捉えた写真だろう。

画像:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS / Image processing by Kevin M. Gill, © CC BY

遠くから見る分には美しいが……

ジュノーが捉えた嵐の様子は遠くから見る分にはとても美しいが、木星表面に降り立つことを考えると身震いしてしまいそうだ。

画像:

image by Kevin M. Gill (CC-BY) based on images provided courtesy of NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS.

地球サイズの台風

さらに、「ビジネスインサイダー」いわく、木星の北極付近では8つの台風が吹き荒れており、その中心には「地球サイズの台風」があったという。

画像:NASA/JPL-Caltech/SwRI/ASI/INAF/JIRAM

 

 

木星の南極

一方、木星の南極にも北極に劣らず、(見る分には)美しい光景が広がっている。ジュノーによる観測が行われるまで、人類は木星の南極を見たことがなかった。

画像:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS / Enhanced image by Betsy Asher Hall and Gervasio Robles

実はかなり青みがかっている

ジュノーが捉えた木星の姿はこの惑星にかんする従来のイメージを覆すものだ。木星といえば、赤茶けた縞模様だと思われがちだが、実はかなり青みがかっていたのだ。

画像:Enhanced image by Kevin M. Gill (CC-BY) based on images provided courtesy of NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS

大赤斑

木星の赤道付近にある巨大な渦「大赤斑」もジュノーによってカメラに収められることとなった。また、ジュノーは木星本体だけでなく、その衛星についても撮影を行っている。

画像:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS / Image processing by Kevin M. Gill, © CC BY

衛星イオ

なかでも、木星を周回する衛星イオを捉えたこちらの画像は驚くべきものだ。これはジュノーが53度目のフライバイを行った際に撮影したものだ。

画像:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS / Image processing by Alain Mirón Velázquez © CC BY

2025年までミッション延長

NASAいわく、探査機ジュノーのミッションは2021年7月をもって終了する予定だった。しかし、実際には木星42周回分延長されることが決まり、2025年9月まで続く見込みとなった。

今後の活動予定

ジュノーは今後、北極上空の通過や衛星ガニメデ、エウロパ(写真)、イオへの接近を予定しているほか、木星の環の観測も行うことになっている。活動終了までの間に、これまでにも増して素晴らしい写真を届けてくれることを期待しよう。

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