ウクライナの砲弾量がロシアの10分の1に?:米国のウクライナ支援法案可決で戦力挽回へ

ロシアの物量に苦戦を強いられるウクライナ
米欧州軍クリストファー・カヴォリ司令官のコメント
ようやく、米国がウクライナ支援法案を可決
ロシア軍が砲弾の量で圧倒
数週間のうちに10倍に拡大
米国による支援再開で状況は改善の兆し
共和党のマイク・ジョンソン下院議長が主導
反対派の急先鋒、マージョリー・テイラー・グリーン下院議員
グリーン議員は解任動議を提出
イスラエルと台湾も支援
軍需品を増産するロシア
ウクライナだけはないロシアの標的
東欧各地で侵略的な行動
中国、イラン、北朝鮮との連携
「戦略的パートナーシップ」
ひとまず窮地を脱したウクライナ
ロシアの物量に苦戦を強いられるウクライナ

2022年2月にロシアがウクライナ侵攻を開始したとき、多くの人々はすぐにロシア勝利で決着がつくと考えていた。そのことを思えば、劣勢に立たされながらも戦線を維持し続けているウクライナはかなり頑強だと言えるが、それでもロシアの物量には敵わない可能性がある。

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米欧州軍クリストファー・カヴォリ司令官のコメント

4月初旬、アメリカ欧州軍の司令官であり、NATO欧州連合軍の最高司令官も兼任するクリストファー・カヴォリ陸軍大将は、近いうちにウクライナの砲弾はロシアの10分の1に落ち込んでしまうという見通しを発表。

 

ようやく、米国がウクライナ支援法案を可決

AP通信によれば、カヴォリ司令官は米議会の公聴会でウクライナが直面する危機について警鐘を鳴らし、速やかな支援再開を訴えた。その甲斐あって、昨年末から滞っていたウクライナ支援法案は超党派の賛成多数により、ようやく両院を通過することとなった。

ロシア軍が砲弾の量で圧倒

カヴォリ司令官は当時、「ウクライナ軍が発射する砲弾の数はすでにロシア軍の5分の1です。つまり、ロシア軍はウクライナ軍の反撃に対し、5倍の砲弾を発射して圧倒することができるのです」と述べていた。

 

 

数週間のうちに10倍に拡大

同司令官いわく:「このままでは、数週間以内に砲弾量の比が10対1に達してしまうでしょう。何ヵ月も先の話ではありませんし、想像上の話でもありません」

 

米国による支援再開で状況は改善の兆し

今年に入り、ウクライナ軍は弾薬の節約を余儀なくされているが、米国が600億ドル規模の支援を決めたことで、この状況は改善するものと見られる。

共和党のマイク・ジョンソン下院議長が主導

米国ファーストを主張する共和党保守派が抵抗する中、超党派のウクライナ支援法案成立に奔走したのは共和党のマイク・ジョンソン下院議長だった。CNN放送はこれについて、ナチスドイツとの戦いを率いた英国の故チャーチル元首相を引き合いに出し、ジョンソン議長は「予想外のチャーチル」になったと報道した。

反対派の急先鋒、マージョリー・テイラー・グリーン下院議員

一方、ウクライナ支援に強硬に反対しているのがジョージア州選出のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(共和党)だ。ちなみに、同議員はコロナ禍や日食について陰謀論を展開し、物議を醸したことでも知られている。

グリーン議員は解任動議を提出

CNN放送によれば、グリーン議員はウクライナ支援法案の成立を受けて、ジョンソン議長の解任を求める動議を提出したという。ただし、以前はウクライナ支援に消極的だったトランプ前大統領が今回はジョンソン議長を擁護するなど、共和党内の情勢にも変化が見られるようだ。

イスラエルと台湾も支援

今回の法案はウクライナのほか、イスラエルおよび台湾に対する支援パッケージが含まれており、その総額は950億ドルに上る。

軍需品を増産するロシア

一方、ニュースサイト「ポリティコ」によれば、カヴォリ司令官はロシアが予想をはるかに上回るペースで軍需品を増産し、ウクライナの戦場で被った損失から回復しつつあると指摘。

 

ウクライナだけはないロシアの標的

カヴォリ司令官いわく、ロシアはウクライナに勝利することができた場合、欧州のその他の国々にも矛先を向けるかもしれないとのこと。

 

東欧各地で侵略的な行動

同司令官の見立てでは、ロシアがウクライナの併合だけで満足するとは考えがたく、東欧各地で侵略的な行動を繰り広げるおそれがあるのだ。

中国、イラン、北朝鮮との連携

また、米国防総省のプレスリリースによれば、カヴォリ司令官はロシアがこの戦争を通じて中国やイラン、北朝鮮との協力関係を緊密化させていると分析しているようだ。

「戦略的パートナーシップ」

カヴォリ司令官いわく:「これらの国々は既存の国際秩序に挑戦するため、戦略的パートナーシップを形成している」

ひとまず窮地を脱したウクライナ

ウクライナ支援法案の成立によって、近いうちに米国からの弾薬や装備品が届くものと見られ、ウクライナはひとまず窮地を脱したと言えよう。しかし、米国では11月に大統領選挙が予定されており、ウクライナ支援にあまり積極的ではないとされるトランプ氏の再選が確実視されるなど、予断を許さない状況だ。

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