『料理の鉄人』で人気を博した料理評論家、服部幸應氏(78歳)が急逝
服部栄養専門学校の校長で料理評論家の服部幸應(はっとりゆきお)氏が78歳で死去した。10月4日に同校内で倒れているのが見つかり、搬送先の病院で他界したという。死因は急性心不全と報じられた。
画像:Kyodo / Kyodo News Images
服部氏は東京渋谷の服部栄養専門学校理事長・校長として数多くの料理人を世に輩出したほか、『料理の鉄人』などテレビ番組に出演してお茶の間でも親しまれた。また、和食文化のユネスコ無形遺産登録に尽力したことでも知られる。
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服部氏は1945年に東京都豊島区で生まれた。服部栄養専門学校の公式プロフィールによれば服部氏は立教大学を卒業し、その後昭和大学医学部で博士課程学位を取得した。
1977年、31歳で服部栄養専門学校校長に就任。1939年創立の同校は、公式サイトによればこれまで4万人を超える卒業生を輩出している。現在は日本料理、西洋料理、中華料理、製菓を学ぶことができ、さまざまな国籍の学生が在籍している。
画像:Instagram@Hattori Nutrition College
服部栄養専門学校校長・理事長を務めるほか、母校の立教大学で講師、東京農業大学や昭和大学、広島大学でも講師を務めるなど、服部氏はさまざまな教育機関で後進の指導に当たった。
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90年代にはフジテレビ系で放送された人気番組『料理の鉄人』や『SMAP×SMAP』などさまざまなテレビ番組に出演。トレードマークとなった黒のマオスーツ姿と、柔和な語り口の解説で親しまれた。
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また、服部氏は家庭における食事の時間を通して豊かな人間性を形成することを目指し、いち早く「食育」活動をスタートさせている。2005年の食育基本法の成立に尽力し、成立後は内閣府(当時)の「食育推進会議」委員として活動に取り組んでいた。
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さらに日本食普及の親善大使として「和食」のユネスコ無形文化遺産登録に尽力した。2013年、かねて日本が申請していた「和食;日本人の伝統的な食文化」はアゼルバイジャンで開催れたユネスコ委員会の会議で登録が決定した。
校長を務める服部栄養専門学校では、各国の著名シェフを招聘するなど食を通じた国際交流を推進していた。来日したシェフの人数は40人を超え、中にはフランスのピエール・ガニエール氏やスペインのフェラン・アドリア氏などが名を連ねている。
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服部氏は、倒れる直前の9月29日に、冠ラジオ番組『服部幸應WELL TASTE』(毎週日曜)でいつもと変わらない声を聴かせていた。同番組では10月6日に同氏が生前に収録を終えていた回を放送するとともに、追悼の意を表した。
同番組に出演していたタレントの保田圭はブログを通じ、服部氏は死去した当日に普段通りにラジオの収録をしていたことを明かし、生前の交流を偲んだ。
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つねに笑顔を絶やさず料理界の発展に貢献した服部氏に対し、急逝を惜しむ声が国内外から寄せられている。冥福を祈りたい。
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