新型コロナの後遺症:指摘される臓器障害の可能性

新型コロナウイルスに関する新たな情報
536人の新型コロナ後遺症患者を調査
半年後の検査結果
12 か月後、半数の患者に依然として臓器障害
軽症者にも臓器障害
研究の結論
研究者の見解
新型コロナ後遺症患者の共通点
新型コロナ後遺症
新たな報告
臓器障害が続く理由は解明できず
さらなる研究の必要性
新型コロナ後遺症とは?
異なる定義
慢性疲労症候群に似た症状
新型コロナ後遺症の頻度
新型コロナ後遺症の患者数
新型コロナウイルスに関する新たな情報

『Journal of the Royal Society of Medicine』に掲載された最近の研究によると、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に悩む患者の半数以上が、何らかの臓器障害を負っている可能性がある。

536人の新型コロナ後遺症患者を調査

この研究では英国のさまざまな機関の研究者が集まり、疲労、息切れ、認知機能障害を訴えた新型コロナ後遺症患者536名のについて、1年にわたる調査を行った。

半年後の検査結果

『Journal of Royal Society for Medicine』誌に掲載された研究によると、6ヵ月後に検査を受けた患者の62%に臓器障害の兆候が見られたという。

12 か月後、半数の患者に依然として臓器障害

12か月の時点で患者を再検査したところ、59%の患者に依然として臓器障害の兆候があった。

軽症者にも臓器障害

また英国国立医学会のウェブサイトに掲載された声明によると、本研究を通じて軽症者にも臓器障害があったことが明らかになったという。

研究の結論

研究者はこう結論付けた:「1年経過後に調査した新型コロナ後遺症患者331人のうち、59%に臓器障害が持続していました。症状、生活の質、長期的な健康に影響があり、新型コロナ後遺症の予防と統合ケアの必要性を示しています」

研究者の見解

この研究チームのメンバーの一人であるアミタバ・バナジー教授は、臓器障害を抱える新型コロナ後遺症患者に見られるいくつかの共通点を指摘した。

新型コロナ後遺症患者の共通点

バナジー教授はこうコメントした:「症状は6か月と12か月で共通しています。女性であること、年齢が若いこと、そして単一の臓器障害であることです」

新型コロナ後遺症

「いくつかの研究で、新型コロナ後遺症は最長で1年間持続することが確認されています」バナジー教授は続けた。 

新たな報告

「新型コロナ後遺症患者の5人に3人は少なくとも1つの臓器に、4人に1人は2つ以上の臓器に障害をもち、そして症状がないケースもあることを新たに付け加えます」バナジー教授は自身が担当した研究資料に付け加えた。

臓器障害が続く理由は解明できず

バナジー教授と研究チームは、新型コロナ後遺症患者の大多数が1年後も依然として臓器障害を抱える理由を説明できずにいる。新型コロナ後遺症患者の臓器障害の根本的な病態生理を解明するための更なる研究が必要だとしている。

さらなる研究の必要性

研究者たちは次のように結論付けた:「新型コロナ後遺症患者の負担を減らすには、病態生理を解明するメカニズム研究と並行して、継続的な疲労、息切れ、認知障害などを訴える患者に対するマルチシステム評価と薬物療法の研究を継続する必要があります」

新型コロナ後遺症とは?

新型コロナ後遺症が特定されたのはンデミック開始直後。しかし、『フォーチュン』誌のエリン・プラーターによれば、すべての医師がその内容について同意しているわけではない。

異なる定義

「症状の定義でさえ、話す相手により異なってきます。しかし、新型コロナ後遺症とは一般的に、感染中に始まるか、感染後に現れる新しい症状で、数週間から数ヶ月持続すると考えられています」

慢性疲労症候群に似た症状

プラーターは、新型コロナ後遺症は200以上の症状を持つ可能性があるが、一般的には『慢性疲労症候群のような症状』と認識されている、としている。

新型コロナ後遺症の頻度

世界保健機関(WHO) は、新型コロナウィルスによる罹患者の約10~20%が何らかの形で新型コロナ後遺症を発症すると推定している。

新型コロナ後遺症の患者数

『Nature Reviews Biology』誌 に掲載された研究によると、2023年1月現在、世界でおよそ6500万人が新型コロナ後遺症で苦しんでいることが判明している。

ほかのおすすめ