「早歩き」で認知症や糖尿病を予防しよう:わずか時速6キロメートルでリスク40%減
歩くときのスピードは人によって千差万別。のんびりとした歩調を好む人がいる一方で、早歩きでまっしぐらに目的地に向かうという人もいるでしょう。
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せかせかとした早歩きは、はた目には気ぜわしく見えてしまうかもしれません。けれども、健康維持という面では、むしろよい方向に作用することがわかっています。
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たとえば、2022年に『ガーディアン』紙が報じた研究によれば、早歩きによって認知症をはじめとする様々な病気のリスクを下げることができるとされています。
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さらに、最近行われた研究によれば、歩くスピードは2型糖尿病の発症率とも関連性があると判明。早歩きのメリットがまた1つ見つかることとなりました。
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2023年11月にCNN放送をはじめとする報道各社が取り上げた研究によれば、時速6キロメートルを超える早歩きによって2型糖尿病のリスクが40%近く低下することがわかったのです。
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この研究はセムナン医科大学(イラン)やインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者らによって共同で行われたもので、その成果は『British Journal of Sports Medicine』誌上で発表されました。
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研究チームは歩調が2型糖尿病のリスクに与える影響を評価するため、1999年から2022年にかけて発表された10の調査結果をあらためて分析。
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研究に用いられたデータは英国や日本、米国など世界各地で行われた先行研究によるもので、合計50万人分あまりに上ったそうです。
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その結果、平均的なペース(時速3~5キロメートル)で歩く人の場合、時速3キロメートル未満の人と比べて2型糖尿病のリスクが15%低下することが判明。これは、歩く時間にはよらないと言います。
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さらに、時速5~6キロメートルで歩く人の場合は2型糖尿病のリスクが24%減、時速6キロメートル以上では39%減と、ペースが速ければ速いほど発症率が低いことがわかりました。
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以前から、ウォーキングをはじめとする運動によって、2型糖尿病のリスクを抑えることができるのはわかっていました。今回の研究は、早歩きという手軽な方法によって、その効果が高まることを示唆するものです。
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研究者いわく:「歩く時間を増やすという、従来の方法はもちろん有効です。しかし、ウォーキングが健康にもたらす効果をさらに高めるには、早歩きの推奨が理にかなっているようです」
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もちろん、この結果からただちに「早歩きによって糖尿病リスクを抑えることができる」という結論が得られるわけではありません。しかし、『ガーディアン』紙が伝えた研究者たちの主張によれば、早歩きは循環系の健康や筋力と関連性がある上、ダイエット効果もあり、インシュリンの効き目も改善してくれるとのこと。
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実際、今回の研究に対する専門家たちの意見はおおむね好意的です。たとえば、CNN放送によれば、イースト・カロライナ大学のカルメン・カットバートソン博士は「糖尿病予防には、早歩きをはじめとする強度の高い運動が大きなメリットをもたらすようです」とコメント。
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ただし、すべての専門家が今回の研究結果を支持しているわけではありません。CNN放送によれば、カディス大学(スペイン)で健康科学を研究するボルハ・デル・ポソ・クルス博士は、「因果関係が逆の可能性が高い」と指摘。つまり、早歩きによって糖尿病の発症が抑えられているのではなく、健康であるがゆえに速いペースで歩く人が多いという可能性も捨てきれないわけです。
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とはいえ、研究者たちが言うように、「ウォーキングはコストがかからない上、シンプルです。大多数の人は、仕事や買い物、友人に会いに行くといった普段の活動の中で実践できます」。というわけで、年末年始につい食べ過ぎてしまった方は、これを機に早歩きの習慣をはじめるとよいかもしれません。
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