死傷者数が増加を続けるロシア軍：1日1,000人以上が続くという予想も

ウクライナ軍参謀本部の発表によれば、ロシア軍は11月11日に、24時間で1,770人の兵士を失ったという。これはロシア軍が一日あたりに出した死傷者数の最高記録であり、2024年5月の記録が更新されたという。

同軍参謀本部によると、11月10日時点でのロシア軍の累計死傷者数は71万660人だという。ウクライナによる発表ではあるが、『キーウ・インディペンデント』紙も指摘しているように、他の西側同盟国による推計とも概ね一致する数字だ。当然ながら、この数字は今なお増加を続けている。

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例えば、9月5日には英国防省が、2022年2月以来のロシア軍の累計死傷者数が61万人を超えたと発表している。この数字は、同じ日にウクライナが発表したものとほぼ等しい。

ウクライナ軍参謀本部は9月5日、全面侵攻開始以来のロシア軍の累計死傷者数を62万1,550人と発表している。英国防省の報告との差は1万人強だ。

ただし、ウクライナ軍の発表では死者と負傷者の比率については触れられていない。とはいえ、ウクライナもロシア軍側で戦場を離脱することになった人員の数を正確に把握しようと努めていることは確かだ。

ロシア軍が1日で最多の兵士を喪失したのは、これまでは2024年5月13日のことだった。その時は全域で1,740人が死傷している。今年の5月は激しい戦闘が繰り広げられていた時期だが、10月はそれよりもさらに戦闘が激化していたようだ。

11月10日、イギリスのトニー・ラダキン国防参謀総長が、ロシア軍では10月に「毎日平均1,500人ほどが死傷しています」と述べたのだ。BBCニュースでのインタビューで語っている。

ラダキン国防参謀総長はこう続けている：「ロシア軍の累計死傷者数は70万人に達しようとしています。プーチン大統領の野心のせいで、ロシアという国が多大な痛みと苦しみを被っているのです」だが、ラダキン氏によると、ロシアもただ兵を無駄にしているわけでもないようだ。

国防参謀総長によると、ロシア軍が「戦術的、陣地的勝利」を得ていることは確実だという。さらに、ロシア軍は「徐々に支配地域を拡大」しており、そういった勝利は「ウクライナにプレッシャーを与えている」ともされた。

ここ数ヶ月、ロシア軍は各地の前線で小さな勝利を重ねている。特に激戦が繰り広げられているのがウクライナ東部地域で、ロシア軍はじわじわと前進してポクロウシクやチャシフ・ヤル方面に進みつつある。

英国防省が10月7日に行った報告では、9月も戦闘が激しく、ロシア軍では1日平均1,271人が死傷したとされていた。

英国防省はさらに、それまでの累計死傷者数を64万8,000人と発表。死傷者数が増大している原因は主にロシア軍の戦術と、クルスク州への紛争の拡大にあるとされている。

英国防省はこう書いている：「2024年5月以降、死傷者数の増加が著しいのは、ほぼ確実にハルキウ州および（ロシアの）クルスク州への戦線の拡大および前線での戦闘の激化に起因する」

報告では「ロシア軍は今後も、大量の兵で複数の防御陣地に飽和攻撃を行ってウクライナ側の兵力を分散させるという手段で、戦術目標の達成を目論むだろう」ともされている。

英国防省の報告では、2024年内はロシア軍の1日あたり死傷者数は1,000人を下らないだろうとも予測されており、これまでの所その予測はあたっているようだ。

ウクライナ軍参謀本部が11月12日に出した推計では、ロシア軍の累計死傷者数は71万2,610人とされていた。このまま1日あたり1,000人以上の死傷者を出し続ければ、2025年には累計死傷者数が75万人に達することになる。

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