猛暑で精子の数が減少:これから子供を授かりたい男性は要注意
世界各地で気温上昇や干ばつ、水不足など、気候変動は目に見えて広がりつつあるが、その影響は思わぬところまで波及するかもしれない。
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最近、シンガポールの研究者たちが発表した論文によれば、気温が上昇すると精子の数が減少する傾向があり、生殖能力に直接的な影響を与えてしまうというのだ。
生殖細胞が熱によってダメージを受けることは以前から知られてきたが、今回の研究はその仕組みを詳しく検証するものだ。
対象となったのは不妊症を抱える男性818人。対象者は29.8度以上の暑い環境で過ごしてから、サンプルを提供したという。
ユーロニュース放送によれば、サンプル採取前の3ヵ月間を高温の中で過ごした対象者は、そうでない男性に比べて精子が減少する確率が46%高かったそうだ。
さらに、濃度の低下(40%の確率で発生)に加え、スピードや運動性の低下も見られたとのこと。
調査に参加したシンガポール国立大学医学部のある研究者はこの結果を受け、若者こそ気を付けなければいけないと警鐘を鳴らした。
老化に加え、高い気温も精子の質に影響を及ぼすというわけだが、ユーロニュース放送によれば、専門家は「25歳から35歳というもっとも精力がある年齢層が暑さの影響をもっとも受けやすい」と説明しているそうだ。
ただし、猛暑の影響は不可逆的なものではないようだ。生殖医療を専門とするマドリードのURHガルシア・デル・レアル病院の医療チームによれば、こういった細胞は3ヵ月周期で新陳代謝するので、もとに戻らないわけではないという。
とはいえ、近いうちに子供を授かりたいと考えている場合には、猛暑のなか外出するのはオススメできないとのこと。
さらに、サウナや熱いお風呂、きつい下着の着用も避けたほうが無難だ。