国別核戦力保有状況とは:世界の核戦力の88%を保有する米露

核戦争への懸念
いまの世界の核戦力はどうなっているのか
全米科学者連盟が監視
現状をチェック
アメリカとロシアで全体の88%を保有
現役核弾頭は9,585発
1986年には世界全体で7万発以上が存在していた
ロシア
アメリカ合衆国
中国
フランス
イギリス
パキスタン
インド
イスラエル
北朝鮮
南アフリカ
いまなお核軍拡中の国も
核戦争への懸念

プーチン政権は約3年前にウクライナへの全面的軍事侵攻を開始してからというもの、保有する核戦力についてことあるごとに言及し、国際的な懸念をあおっている。

 

いまの世界の核戦力はどうなっているのか

では、現在の国別核戦力はどのような状況にあるのだろうか。どの国がどれほど核兵器を保有しており、そのうちどれだけが核戦争が勃発した時に即座に利用可能なのだろうか。

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全米科学者連盟が監視

こういった疑問については簡単に答えを得ることができる。全米科学者連盟という団体が、創設以来継続して全世界の核兵器の量や運用状況を監視しているからだ。

現状をチェック

全米科学者連盟は2024年3月に、1945年から現在に至るまで全世界で核兵器がどれほど増えたのかを示す新たなウェブページを公開した。以下、その情報をもとに核兵器の現状をチェックしてみよう。

アメリカとロシアで全体の88%を保有

核戦力においては、アメリカとロシアが二大巨頭となっている。2024年時点で世界には推計1万2,121発の核弾頭が存在すると見られているが、米露両国だけでその88%に達する量を保有している。

現役核弾頭は9,585発

全米科学者連盟によると、その1万2,121発のうち現役核弾頭は9,585発だという。この数は決して少なくは見えないかもしれないが、戦後最大となっていた1986年からは大きく減少している。

1986年には世界全体で7万発以上が存在していた

同じページによると、1986年には世界全体でなんと7万300発もの核弾頭が存在したという。核兵器を保有している9カ国について、1986年と現在の核弾頭数を比較してみよう。

ロシア

1986年:4万159発(現役核弾頭)

2024年:4,380発(現役核弾頭)/1,200発(退役・解体待ち核弾頭)

アメリカ合衆国

1986年:2万3,317発(現役核弾頭)

2024年:3,700発(現役核弾頭)/1,336発(退役・解体待ち核弾頭)

中国

1986年:224発(現役核弾頭)

2024年:500発(現役核弾頭)/0発(退役・解体待ち核弾頭)

フランス

1986年:355発(現役核弾頭)

2024年:290発(現役核弾頭)/0発(退役・解体待ち核弾頭)

イギリス

1986年:350発(現役核弾頭)

2024年:225発(現役核弾頭)/0発(退役・解体待ち核弾頭)

パキスタン

1986年:0発(現役核弾頭)

2024年:170発(現役核弾頭)/0発(退役・解体待ち核弾頭)

インド

1986年:0発(現役核弾頭)

2024年:172発(現役核弾頭)/0発(退役・解体待ち核弾頭)

イスラエル

1986年:44発(現役核弾頭)

2024年:90発(現役核弾頭)/0発(退役・解体待ち核弾頭)

北朝鮮

1986年:0発(現役核弾頭)

2024年:50発(現役核弾頭)/0発(退役・解体待ち核弾頭)

南アフリカ

1986年:3発(現役核弾頭)

2024年:0発(現役核弾頭)/0発(退役・解体待ち核弾頭)

画像:Wiki Commons By Leo za1, Own Work, CC BY-SA 3.0

いまなお核軍拡中の国も

全米科学者連盟では中国、インド、パキスタン、イギリスの4カ国がいまなお核軍拡中とされている。また、ロシアも核軍拡に向かっている可能性がある。ウェブメディア「ヴィジュアル・キャピタリスト」が伝えている。

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