甘く見てはいけない:睡眠不足がもたらす悪影響さまざま
全米睡眠財団は、成人に推奨される睡眠時間を1日7時間から9時間としている。これを下回るといわゆる睡眠不足に陥り、自身や周囲の人の健康に悪影響をもたらす可能性という。
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車の運転中や機械の操作中などに生じる眠気は、大きな惨事を引き起こす危険性がある。また睡眠不足は健康面でも深刻な影響を及ぼす。では、一体どんなリスクがあるのだろうか?
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歴史を通じて、睡眠を奪うことは数多くある拷問方法のひとつとして利用されてきた。このことは、適切な睡眠の欠如が人体にいかに大きな影響を及ぼすかを物語っている。
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いくつかの研究によれば、睡眠が4時間未満の日が3日続くと、脳の細胞が減少する。その結果、脳の機能が低下することが判明している。
睡眠がとれないと脳は休むことができず、代謝老廃物や脳細胞間にプラークを形成するタンパク質を排出することができなくなるのだ。そのため睡眠不足は、中長期的にアルツハイマーや認知症などの病気につながっていくと考えられている。
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1日の睡眠時間が6時間を切ると、120未満が推奨されている収縮期血圧が132まで上昇すると全米睡眠財団は警告している。
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睡眠不足が続いた場合、長期的にはパラノイア、幻覚、方向感覚の喪失といった影響が出る。これらはすべて、統合失調症につながる可能性がある。
また、睡眠不足は血圧を上昇させてしまう。心臓に負担がかかるため心臓病を発症しやすくなる。
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アメリカのスタンフォード大学は、1日の睡眠時間が5時間未満になると肥満度を表すボディマス指数(BMI)が3.6%上昇するとしている。
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『Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 』誌によれば、睡眠不足は性欲の減退や性機能の低下を招くという。
1日の睡眠時間が5時間未満になると、レプチン(食欲抑制ホルモン)の分泌が15%低下し、食欲増進につながると、アメリカのウィスコンシン大学マディソン校が発表している。
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睡眠時間が6時間未満だと、膵臓に致命的な影響を与える。アメリカのイェール大学医学部によれば、年齢や運動量に関係なく睡眠不足は糖尿病にかかる確率を2倍にする。
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眠れない夜を過ごした後は、普段なら気にも留めないようなことでイライラしたり不安を感じたりする。睡眠不足で必要以上に感受性が高まることが原因だ。
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もし、24時間眠らずにいたらどうなるだろうか?反射神経、認知能力、運動能力が、リキュールやウォッカなど強いアルコールを5杯飲んだ時と同じレベルになってしまう。
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睡眠不足は、大腸ガンや乳ガンなど、一部のガンについてそのリスクを上昇させる。
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休息をとらないことで肌の再生がうまくいかず、慢性的な肌のトラブルを招いてしまう。ウィスコンシン大学の発表によれば、睡眠不足の人ほど老化のスピードが早いという。
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『ネイチャー』誌によれば、睡眠不足は社会的関係を複雑にし、孤独感を高めるという。こうしたリスクを考えれば、「たかが寝不足.....」と軽視することなく、毎日しっかりと眠ることが大切だ。
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